
1つの定理を証明する99の方法
フィリップ・オーディング / 冨永 星
2021年2月6日
森北出版
3,520円(税込)
科学・技術
【第55回造本装幀コンクール日本書籍出版協会理事長賞受賞!】 おなじ物語を異なる言語で語るように、 おなじ情景を異なる技法で描き分けるように、 おなじ定理を異なる方法で証明すると、どんな世界が見えるのだろう? この一見無謀な試みを具現化したのが本書である。 レーモン・クノーの『文体練習』に着想を得て書かれた本書では、ある何の変哲もない定理を、中世ヨーロッパ時代の証明、現代数学を駆使した証明、言葉を使わない証明、音楽による証明、映画のシナリオ風の証明、手話による証明、サイケデリックな証明など、99通りもの方法で「証明」する。 本書で紹介する99通りの「証明」は、厳密に正しいもの、証明とはよべないもの、証明することをはなから放棄しているものなど、現代数学の方法論として見れば玉石混交かもしれない。しかし裏を返せば、本来数学がそれだけの多様性を備えていることの証ともいえる。 そう、物語の語り方がさまざまであるように、絵の描き方がさまざまであるように、証明、つまり数学の在り方は決して一つではない。数学はもっと自由なのだ。
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