マキァヴェッリ
激動の転換期を生きぬく
世界史リブレット
北田葉子
2015年2月28日
山川出版社(千代田区)
880円(税込)
人文・思想・社会
マキァヴェッリは、一般には目的のためには手段を選ばない権謀術策主義で悪名高い。一方、学問の世界では、彼の思想は重視され、その研究は膨大な数に上る。しかし彼の思想を中心に置くのではなく、彼の生きた時代に重心を置いて彼をみた研究は多くない。本書はマキァヴェッリの人生と著作をとおし、中世から近世への転換期をみる。そこには知の巨人としてではなく、時代に翻弄された一人の人間としてのマキァヴェッリがあらわれる。
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描き出されるマキァヴェッリの素顔
主著『君主論』の内容から彼の名前を冠したマキァベリズムという言葉が「目的のためには手段を選ばない権謀術数主義」として現代にものこっている。 冷酷無比な人間という印象さえ持たれている彼の実態は果たしていかなるものであったのか。 本書はマキァヴェッリの遺した著作を主軸に置いて、彼の正体に迫っているがその比重は『君主論』よりも『ディスコルシ』の方が大きい。 その名の通り君主による政治を主眼に置いた『君主論』に対して、ローマ史論である『ディスコルシ』は古代ローマ帝国の共和政治を念頭に描かれている。 君主政治と共和政治という立場がマキァヴェッリのなかに存在していたのである。 一見相反するこの二つのは両立しえるのであろうか? この疑問に気がつくだけで「権謀術数主義者」とされたマキァヴェッリの印象は変わってくる。 同様に『君主論』の読み方にも違った視点を与えてくれる。 運命に対する人間の無力さを知りながらも、人事を尽くせる部分には全力で立ち向かう雄々しさを己の人生で実践しようとした一人の官僚がイタリアにいた。 彼の名はニコロ=マキァヴェッリである。
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