
日蓮と一遍
予言と遊行の鎌倉新仏教者
日本史リブレット
佐々木馨
2010年2月28日
山川出版社(千代田区)
880円(税込)
人文・思想・社会
中世人からの「戦争と平和」のメッセージ。前近代戦を決するのは、軍事力と祈祷力であった。この祈祷力を担うのはもちろん、宗教者。十三世紀の蒙古襲来の時代、この祈祷をめぐり三つの歴史絵巻が世を彩った。一つは、天皇と武家の両王権を結んだ西大寺流(叡尊と忍性)による異国調伏の祈祷絵巻。二つは、両王権からも疎んじられてなお多弁に説き続けた日蓮の予言絵巻。三つは、全ての権力も超越し、貝の如く口を閉ざして乱舞した一遍の踊念仏絵巻。
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