論究ジュリスト　2017年秋号（23号）

グローバル化の進展に伴い生じた，既存の国家とは異なる「公共空間」。第1特集では，この空間における法制度の展開や主権国家の役割等につき，国際法・国内法の視点から分析を加える。第2特集では第193回国会で成立した組織犯罪処罰法・性犯罪に関する刑法の改正について，その概要と理論的課題を検討する。 【特集1】グローバルな公共空間と法 特集にあたって…酒井啓亘・濱本正太郎・森　肇志 1　総論 公共空間のグローバル化と国内行政法の変容─銀行監督を手がかりとして…原田大樹 非国家的実体を規律する国際法の新たな特徴／非国家法の出現─総論…濱本正太郎 調整理論の現代的意義…寺谷広司 非国家的実体を規律する国際法の新たな特徴／非国家法の出現─経済規制の観点から…伊藤一頼 国内法の国際法適合的解釈の意義…山田哲史 グローバルな公共空間の法哲学─その構築の試み…近藤圭介 2　各論 グローバル化時代における国際環境法の機能…児矢野マリ 経済活動の規制に関する国際的調和の在り方…西元宏治 グローバル法多元主義の下での抵触法…横溝　大 一方主義と普遍主義の相克…西谷祐子 商取引法の国際的統一と国内的な実施・解釈・適用…小塚荘一郎 ILO国際労働基準と国内法制度の関係…関根由紀 【特集2】刑事立法の最新動向─組織犯罪処罰法・性犯罪に関する刑法改正 1　組織犯罪処罰法改正 改正の概要…加藤俊治 改正の意義…今井猛嘉 改正の問題点…松宮孝明 2　性犯罪に関する刑法改正 改正の概要…田野尻　猛 改正の意義と課題…角田由紀子 【連載】 現代訴訟の論点と法理論の検討…道垣内弘人・朝倉佳秀ほか 〔論究の芽〕最高裁における憲法判断の方法─調査官解説を示唆とする内在的分析の試み…木下昌彦 〔判例詳解〕最三小決平成29・2・21…松井智予