関白秀吉の九州一統

中野 等

2024年3月4日

吉川弘文館

2,750円(税込)

人文・思想・社会

関白となった羽柴秀吉は、天皇の権威に依拠しつつ国内「静謐」の実現を目指し、勢力圏拡張を進める九州の島津攻めを決める。九州平定戦を含む一連の政治・軍事過程の具体相と、国分け・国割りなどの戦後処理=九州仕置(しお)きの実態を詳述。「九州一統」がもたらした領主権力の再編・統合の歴史的意義を、中世末〜近世初めの大転換期に位置づける。 はじめに 第1部 九州一統への道  第一章 織田・羽柴政権と九州・西国   一 足利義昭と織田信長の対立   二 織田家中の覇権争いと九州・西国   三 羽柴・毛利同盟の成立と島津家の勢力拡張  第二章 羽柴政権の九州「停戦令」と「国分け」案   一 勅定に基づく九州停戦令   二 九州和平と島津家の対応 第2部 九州平定戦の推移  第一章 中国・四国勢による前哨戦   一 中国・四国勢の九州先遣   二 島津勢の豊後攻めと戸次川の合戦  第二章 関白秀吉の「九州御動座」   一 秀吉の出陣と島津勢の豊後撤退   二 秀吉の九州着陣   三 島津勢の敗北   四 島津家に対する戦後処理  第三章 戦後の九州仕置き   一 九州国分け   二 博多築城・博多町割り   三 領主権力の制限といわゆる「伴天連追放令」   四 九州国分けの最終段階 第3部 新秩序への反動と体制の再編  第一章 未完の「九州平定」   一 北部九州の騒乱   二 一揆・騒擾の沈静化   三 肥後検地と小西・加藤領の成立   四 続く日向国内の混乱  第二章 新たなる政治・社会秩序   一 後陽成天皇の聚楽行幸   二 自力救済の否定   三 日向国割りの確定 終章 「御朱印」体制の成立 参考文献 あとがき

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