十七世紀日本の秩序形成

16世紀末、戦乱の末に成立した日本の近世社会。それはどのようにして、私たちに馴染み深い、平和と安定の江戸時代になっていったのか。17世紀における新しい秩序の形成と定着の過程を、政治・対外関係・社会史の観点から追究。気鋭の近世史研究者9名が、多様で斬新な史料の活用を果敢に試みる。17世紀史のとらえ方を深化させる論文集。 序 日本の十七世紀をどう考えるか…木村直樹・牧原成征／1 政治の秩序形成（島原の乱と牢人…木村直樹／大名と天皇・朝廷ー土佐藩二代藩主山内忠義を事例に…千葉拓真／上方譜代大名松平忠房と寛文期御所造営ー「本光寺史料」を素材として…佐藤雄介）／2 対外関係の秩序形成（長崎貿易における唐船商人の経営形態ー「正徳新例」実施以前を中心に…彭　浩／異国船対応をめぐる平戸藩と幕府…吉村雅美／中近世の種子島氏と島津氏…屋良健一郎）／3 社会の秩序形成（近世的神社組織の形成ー駿府浅間社を事例に…竹ノ内雅人／商人と博打・遊芸・男伊達ー三井周辺にみる十七世紀商人の横顔…村　和明／下級幕臣団の江戸城下集住…牧原成征）