古代王権と県・県主制の研究

県と県主とを区別することによって県・県主制に再検討を加え、記・紀の造作・作為を一面的に強調せずに、ヤマト王権の特質を究明。 はじめに／大化前代の研究法と記・紀の信憑性ー王統譜と帝紀・旧辞論（稲荷山古墳鉄剣銘と王統譜／帝紀・旧辞の成立事情／継体王統と帝紀／大化前代の研究法）／県・県主制の再検討（一）-「県」字の問題性（『書紀』における県と県主の区別／「県」字のもつイデオロギー性／『風土記』にみる県と藤原宇合／「県」字の成立事情ー対外関係を通じて）／県・県主制の再検討（二）-ヤマトの六県を通じて（神武紀にみる大和の県／葛城のコホリについて／六県と県主との関連／追記ー批判に答えて）／稲置・屯田の一考察（県稲置について／稲置の職掌について／屯田の歴史的位置／追記ー批判に答えて）以下細目略／欠史八代の成立事情ー県主皇后妃記載と天皇名／旦波大県主をめぐる歴史的世界／忍海氏・忍海部とヲケ・オケ二王／あとがき