幼い王様の涙

わずか１１歳で即位した端宗は、幼いながらも国を正しく治めようと努力しました。ところが、暴君で名高い叔父の首陽大君（次代国王・世祖）が次の王の座を狙って、次々と謀略を企てます。端宗が人を大切にすればするほど、それらの人々が叔父によって苦しめられるために、人を愛したくても愛せなくなりました。そして孤独の中で最後には、王の座さえ奪われてしまいます。それでも、たとえ自分が王でなくても、この国を立派にしたいと思い続ける端宗のけなげな姿は、読む人の心を打ちます。