ルポ 宗教と子ども

見過ごされてきた児童虐待

毎日新聞取材班

2024年3月8日

明石書店

2,200円(税込)

人文・思想・社会

安倍元首相銃撃事件を機に社会で注目されるようになった「宗教二世」問題。家族と宗教という二重のブラックボックスの中で「見えない存在」にされてきた一人一人の苦難を丁寧に聞き取ると同時に、国や自治体、医療機関が過去にどう対応してきたかを検証する満身のルポ。  はじめに 序章 二発の銃声から  「彼」は近くにいた  自由民主党との蜜月 第一章 深く残る傷痕  「神の子」のアイデンティティーーーチュソンの場合  異国で破れた「祝福結婚」--貴子の場合  教義にむしばまれてーー愛美の場合  養子という迷宮  帰る場所を奪われーーはなの場合  むち打ちの罠  便箋につづったざんげーーマリコの場合  全て神様のおかげ?--郁子の場合 第二章 教義と虐待  苦悩する児童相談所  信教の自由とは何か  逃げる場所があればーーエマの場合  虐待と気づかなかったーー小雪の場合  子を打つ手の痛みーー良子の場合  それでも信仰を受け継ぐーー信二の場合  銃撃事件に重ねた思い 第三章 誰が輸血を拒むのか  ある男児の失血死  震える手で同意書ーー大地の場合  輸血拒否の論理  両親の反対で手術できずーー遥の場合  子の意思か、親の意思か  願った母の延命ーー関口誠人の場合  医療現場のジレンマ  親権停止という選択肢  「無輸血」の教義と命のやりとり   ○傷ついた患者に寄り添う[遠藤清]   ○ガイドラインは万能ではない[松永正訓] 第四章 オウムの教訓はどこへ  透明な存在だったーー咲の場合  息子を引きずり込んでーー恵美子の場合  殺人を正当化する教義  これって誘拐?--ドキュメント「オウムの子」(上)  過酷な修行ーードキュメント「オウムの子」(中)  消せない記憶ーードキュメント「オウムの子」(下)  共有されぬ公的記録  生かされなかった「警鐘」   ○宗教的虐待を防ぐ新法を[紀藤正樹]  おわりに

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