中立性と現実

新しい精神分析理論 2

岡野憲一郎

2002年10月31日

岩崎学術出版社

4,950円(税込)

人文・思想・社会

●患者を前に治療者はどうあるべきか。治療者と患者の「現実」の関係という見地から、「中立性」という精神分析の基本概念を批判的に検討し、理論にしばられず技法にとらわれない、治療者のあるべき「態度」としての「生きた中立性」を提唱する。すべての人が「自分自身の精神分析」を確立するために。 ●目次 序文/前書き 第1部 「生きた中立性」 と治療者の能動性 第1章 どのようにして「中立性」へと行き着いたか? その1 1.精神分析に対するあこがれから始まった 2.臨床的な実践ーーそれに興味を持つことをあまり期待せずに始めた 3.私が用いた、 精神分析療法と実践との「スプリッティング」 第2章 どのようにして「中立性」へと行き着いたか? その2 1.米国での体験 2.「提供」 という概念との出会い 第3章 中立性とは何か? 1.中立性の概念の歴史 2.最近の中立性に関する議論を超えて 第4章 治療者の受身性と能動1生をめぐる中立性 1.始めに 2.受身性について 3.能動性について 第5章 分析家の能動性の表れとしての自由連想 65 1.理論的背景 2.症例 3.考察 第6章 精神分析の目的に関する中立性ーー「知ること」と「癒すこと」のどちらにも注意を向けること 1.発想のきっかけ 2.理論的な背景 3.症例 4.考察 第7章 弁証法的精神分析について、あるいは偉大なる中立主義者としてのホフマン 1.イントロダクション 2.儀式的側面と自発的側面の問の弁証法とは? 3.精神分析と精神療法を区別しないこと 4.転移の解釈すらも特権的ではない 5.ホフマンの批判の対象は、いわゆる「実証主義」である 6.本質にあるのは、生と死の弁証法である 7.ホフマンは恥の感覚を持った分析家である 8.ではホフマンはどのような治療的介入を提唱しているのか? 第2部 現実の臨床的意義 第8章 「現実」に至った私の体験 1.発想のありか 2.私の分析体験から得られた現実理論 第9章 「現実」の定義と、それに対する私たちの反応の仕方 1.「現実」の定義 2.治療に向けて 第10章 エディプス理論も現実の問題に関わってくる 1.そもそもエディプスとは何か? 2.エディプス的な父親の機能の一般化 第11章 治療者の役割としての「現実を提供すること」 1.理論的背景 2.症例J 3.考察 第12章 現実を対象関係から捉えるーー第三項としての「共同の現実」いう概念 1.理論的背景 2.治療素材に関する議論の必要性と第三項としての「共同の現実」 3.三つの事例 4.考察 第13章 現実の対象といかに出会うか?--ジェシカ・ベンジャミンの理論を通して 1.対象と関わることーー私自身の問題意識 2.人が現実の他人と出会うまでの3段階 3.臨床例 4.他人を認めるということのパラドックス 第14章 ベンジャミンをさらに読んでみる 第15章 「現実」を外傷という見地から見る 1.ライフイベントと外傷 2.ライフイベントとしての「現実」 3.ライフイベントと「現実」に関する治療論 4.まとめ 第16章 現実という観点から見た治療者の「真実さauthenticity」 1.発想のきっかけ 2.症例 3.考察 参考文献/人名索引/事項索引

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