健康と疾患を制御する精密栄養学

実験医学増刊

國澤 純

2023年6月5日

羊土社

6,160円(税込)

医学・薬学・看護学・歯科学

体に良いとされる食品成分を摂取しても,効果を実感できる人とそうでない人がいるのはなぜか? 本書では,個人差を生むメカニズムを解明し,一人ひとりに最適な食の提案をめざす精密栄養学の最新動向を特集します. 【目次】 序 概論 「精密栄養学」概論:われわれは何を食べたらよいのか? 第1章 コホート研究から見えてきた精密栄養学の実情 1.NIBIOHN腸内環境研究を中心とした精密栄養学への展開 2.食・生活習慣と遺伝的背景と健康との関係 -食品の健康効果に影響する内的,外的因子 3.多項目健康ビッグデータを基盤としたwell-being地域社会の実現 4.京丹後コホートと長寿,エイジングクロック 5.時間栄養学の基礎と臨床 第2章 精密栄養学を支える基盤技術 1.マイクロバイオーム統合データベース構築支援ツールMANTAの開発と応用 2.ニュートリゲノミクス 3.精密栄養学に適用可能な親水性メタボローム分析技術の開発 4.食の評価系(in vitroオルガノイド培養システム) 5.ヒトiPS細胞を用いた食の評価系 -ヒトiPS細胞から分化誘導した腸管上皮細胞 6.食の評価(in vitro腸内細菌培養システム) 7.食・栄養の理解に向けた代謝インフォマティクス 第3章 精密栄養学の基盤となる食・栄養の分子作用メカニズム 1.ヒト研究と基礎研究の融合による腸内環境の機能解明 2.糖代謝における個人差要因 3.脊椎動物における味覚受容体の進化と味覚情報伝達機構 4.全血メタボロミクスから見えてきた赤血球のもつ抗老化機能 5.糖,脂質,アミノ酸の転写調節・生体恒常性機構と疾患 6.必須脂肪酸の代謝と免疫制御,個人差 7.玄米機能成分をめぐる脳科学と分子栄養学 8.ポリフェノールセンシングの分子基盤とその応用 9.フィトケミカルの機能と作用メカニズム 10.亜鉛による生体機能制御 11.微生物による食品機能の顕在化 第4章 社会実装に向かう精密栄養学 1.食による健康長寿社会の実現への取り組み -一般社団法人セルフケアフード協議会の設立 2.味覚の人為的制御 -工学技術を活用した味覚提示手法とその応用 3.腸内デザイン® -腸内細菌叢を活用した新たな健康維持基盤 4.大麦の健康効果を予測する機械学習モデル 5.アマニ健康機能性の個人差に関連する因子 6.AI食事管理アプリ「あすけん」の実践例 索引

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