わたしの本の空白は
近藤史恵
2018年5月31日
角川春樹事務所
1,650円(税込)
小説・エッセイ
気づいたら病院のベッドに横たわっていたわたし・三笠南。目は覚めたけれど、自分の名前も年齢も、家族のこともわからない。現実の生活環境にも、夫だという人にも違和感が拭えないまま、毎日が過ぎていく。何のために嘘をつかれているの?過去に絶望がないことだけを祈るなか、胸が痛くなるほどに好きだと思える人と出会う…。何も思い出せないのに、自分の心だけは真実だった。
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(無題)
私は一体どんな世界に投げ込まれたのだろうか。自分がどこにいるのかさっぱり見当がつかない。読者にそんな思いをさせるのは、ミステリー作家であるなら、手馴れた手法である。しかし、本作のように読了後まで読者にそんな思いをさせるとなると、少しばかり作品に対する評価を考えなくてはならない。もっと言えば、この小説には『オチ』がないのである。だから、中途半端感はどうも否めない。 先ずは書名から考えてみることにしよう。「私の本の空白は」と言われて、それがヒロイン三笠南の「人生の空白」を指していると見当を付けられる読者は相当艦の良い人である。病院のベッドで目を覚ました南には自分の名前も年齢も、家族のこともわからない。つまり頭を強打して記憶を失ってしまったのだ。その空白を埋めようと物語がスタートするのだ。 第二章に至って南とは正反対の個性と言ってもいい謎の女性・渚の視点が導入される。ここで美貌の青年・晴哉と南と渚をめぐる物語へ発展するのかと思いきや、そうでもない。結局、なんだったのか、わからないままにエンディングを迎えてしまう。物足りなさがいつまでも続く小説であった。
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