
八朔の雪
みをつくし料理帖
ハルキ文庫
高田郁
2009年5月31日
角川春樹事務所
607円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
神田御台所町で江戸の人々には馴染みの薄い上方料理を出す「つる家」。店を任され、調理場で腕を振るう澪は、故郷の大坂で、少女の頃に水害で両親を失い、天涯孤独の身であった。 大阪と江戸の味の違いに戸惑いながらも、天性の味覚と負けん気で、日々研鑽を重ねる澪。しかし、そんなある日、彼女の腕を妬み、名料理屋「登龍楼」が非道な妨害をしかけてきたが・・・・・・。料理だけが自分の仕合わせへの道筋と定めた澪の奮闘と、それを囲む人々の人情が織りなす、連作時代小説の傑作ここに誕生!
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(無題)
幼い頃に、高名な易者水原東西に澪は「雲外蒼天」の相の持ち主と言われました。雲外蒼天というのは、艱難辛苦を乗り越えた後には真っ青な空が見えるというものです。澪に定められた過酷な運命は、次から次へと降りかかる不幸の連続でした。両親を亡くし、縁あって奉公した「天満一兆庵」は火事で全焼です。主人夫婦と共に、一人息子の佐兵衛が営む店を頼って江戸に出てきましたが、既に店は人手に渡り、佐兵衛は行方不明です。心労から、大旦那嘉兵衛は亡くなり、ご寮さん芳とともに、貧乏長屋で糊口をしのぐ毎日です。それでも天性の料理感と負けん気で、次々と新しい料理を生み出していく澪と澪を温かく見守る大人達がドラマを盛り上げます。 料理の腕を上げていく澪は、江戸の名門料理屋に嫉妬され、営業妨害を受けるまでになります。それにつけても「つる屋」の行く末、そして、亡き主人と約束した「天満一兆庵」の再興は、この先、行方不明になった幼なじみの野江と会えるのか、「つる屋」常連の小松原の正体は、長屋の住人おりょうさんの養子太一は、ちゃんとしゃべれるようになるのか、気になることばかりです。「雲外蒼天」の運命なんだから、たぶん、最後は青空を仰げるのはまちがいないんだろうけど、やっぱり、気になるところです。 「江戸っ子は諦めの良さが身上だが、それを見習うなよ。あれこれと考え出せば、道は枝分かれする一方だ。良いか、道はひとつきり。それを忘れるな」 小松原の台詞は、決まってますね〜。
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みをつくし料理帖第一巻
こちらも評判のよいシリーズながらも手をつけていなかった作品。 直前に読んでいた羽州ぼろ鳶組もそうでしたが、江戸っ子はなんにでも番付をつけたがるというのはこの2作品を読んで改めて感じるところ。 子供の頃の易者の言った「雲外蒼天」とはいえ、これだけ短い間にキツいことが続くと気持ちが折れますよね。そういう意味でも澪はそんな相が出るほど強いということなんでしょう。回りの人に恵まれていることも強く生きていける要因でもあるのでしょうか。 当時の状況はよくわからないのですが、持ち帰りのことも考えているというのは素晴らしいことですね。
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