精選 折口信夫 第2巻 文学発生論・物語史論
折口 信夫 / 岡野 弘彦 / 長谷川 政春
2018年11月6日
慶應義塾大学出版会
3,080円(税込)
人文・思想・社会
折口信夫の生涯のテーマであった「日本文学の発生論」。日本人の心の始原の言葉とはなにか、文学を押し動かしてきた力とはなにか、を重層的に問い続けた折口の展開を、本『精選2』では「貴種流離譚」や「笑いの文学」、「源氏物語論」などの物語史とともにとらえるものである。
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(無題)
反省の文学源氏物語 のみ この本とは関係無いが松岡正剛先生のブログが読んでいて怖かった。 もの哀しい、もの憂い、ものものしいの「もの」は怨念という意味であるということ。 後、この本と出会う前から源氏物語は美貌の王子の愛の遍歴、無常観、因果応報、などの世間の通説とは何か別の大きな何かに支配された物語と思っていた。 それは階級の問題、覇権の物語であると言う観点である。 源氏の一生は数多の女人に彩られているが、夕顔や空蝉、明石などの例外を除いては皆一定のステージ以上の女性に限られている。さらに言うと帝により位の近い女人になるとその魅力や美貌もいや増し、なんとかそれをものにし可能ならば正妻として迎えたいという女性は一種ののステイタスとしての役割を担っているのだ。頭中将という終生のライバルにも立場的に常に優勢でなければならない。 終生こだわった父帝の妻藤壺もさりながら、あまり魅力的とも思われぬ朝顔の君や冷泉帝中宮の斎宮、末摘花(特に面白おかしく描かれているが身分的にはかなり高等である)たちにもご執心であり、女三宮も血縁である愛しい藤壺の面影(そう言った解釈が多い)というよりも朱雀院の娘であると言うことが、源氏が最愛の紫にさえ与えなかった正妻の座を易々と与える要因となっていると思う。 宇治十帖の宇治の美しい姉妹たちも八の宮の血統の女性たちであると言うことが二人の王子たちの心を多分にもの狂わせている。 そして最終的にそう言った権勢欲とそれに付随した愛の彼方には死別..虚しさ、虚無感、無常観が控えており、結局それに絡め取られて出家したり、あの世に旅立って行くのである。 そこで松岡先生の「もの」の話にかえると、相当な立場にありながら源氏に捨てられた六条や、源氏の妻に懸想して世を去った柏木、 そして何より帝の御子でありながら、謀叛を常に右大臣側から警戒され須磨に下ったり臣籍に降らなければならなかった主人公源氏の「もののあわれ」、一見、華やかで幸福に彩られた人生であるように見えながら幸薄い怨恨の物語ということもできる。
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