
傍流の巨人 渋沢敬三
畑中章宏
2024年9月12日
現代書館
2,200円(税込)
人文・思想・社会
宮本常一を支えた「巨人」の全貌に迫り、「オルタナティブ」のさらなる深みへーー 2024年6月「100分 de 名著」出演・畑中章宏氏最新作! “日本資本主義の父”として名を馳せ、2024年7月3日より新一万円札の新しい顔となる 渋沢栄一の孫で事業の継承者、あるいは民俗学者・宮本常一の調査・研究上のパトロンーー渋沢敬三(1896₋1963)のイメージはこんなふうにだれかを通して思い描かれることが多い。日本民俗学に果たした役割の大きさにも関わらず、柳田国男や宮本常一の影に隠れて、その業績や仕事の意義にこれまで光を当てられてこなかった。 本書は、民俗学の学問的根拠は「オルタナティブ」にあると考える著者が、渋沢の思想と方法が持つ非主流性(傍流)に着目して描き出す、ユニークな評伝であり、昭和史である。 はじめに 第一章 〈民俗〉と〈実業〉のはざまで 1 “日本資本主義の父”の孫として 小さな生物への関心/漁業史研究の開眼/玩具から民具へ/「祭魚洞」という号/「豆州内浦漁民史料」/… 2 アチック・ミューゼアムという「場」 アチック・ミューゼアムの発足/早川孝太郎と花祭/柳田国男と渋沢敬三/共同調査と独自の研究 3 育てた人材 宮本常一/網野善彦/「常民」という概念/日本最大の収集家/… 4 戦中・戦後をまたいで 大蔵大臣に/日本銀行総裁就任/公職追放/“ニコ没”時代/実業界に復帰/ユニークな著作群/「大事なことは主流にならぬことだ」/… 第二章 著作を読む 1 『祭魚洞雑録』 アティックの生長/倫敦の動物園を見るの記/南島見聞録/津軽の旅/本邦工業史に関する一考察/… 2 『祭魚洞襍考』 延喜式内水産神饌に関する考察若干/豆州内浦漁民史料序/東西作りみみず談義/テグス小史/塩ー塩俗問答集を中心として/… 3 『犬歩当棒録』 南方熊楠全集上梓のいきさつ/石黒さん/絵引は作れぬものか/アチックマンスリーから/… 4 『東北犬歩当棒録』 東北の金と米/地蔵様と亡児への愛惜/佐々木喜善/オシラサマ/菅江真澄/伊能嘉矩/笹森儀助/… 第三章 〈非主流〉の証明 1 規格外の「思想家」 “ハーモニアス・デベロップメント”/フィランソロピストとして/渋沢敬三の「思想」/生態学の思想/資料集の思想/研究会の思想/博物館の思想/… 2 たぐい稀なるまなざし 宮本常一・網野善彦への影響/南方ソサエティ/日本実業史博物館構想/「日本広告史」の試み/「絵引」は作れぬものか/映像の活用/「失敗史」という視座/小さな祭への愛着/渋沢敬三は“オルタナティブ”だったのか/… おわりに
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