森鴎外現代小品集

森鴎外 / 瀧本和成

2004年5月31日

晃洋書房

3,080円(税込)

小説・エッセイ

森林太郎は一九一〇(明治四三)年一〇月に『現代小品』(弘学館書店発行、大倉書店発売)と題した翻訳作品集を刊行している。この中にはWilhelm Schmidt-Bonnの「鴉」(Raben)やRainer Maria Rilkeの「白」(Weisses Gl¨uck)など九篇が収められている。これらの作品を紹介した「広告文」には“現代小品”を「造形芸術の趣味を文学に応用するを以て著れたる」短編と称している。“現代小品”の芸術性に着目し、強調したところにこの短篇集の特質が表されており、「近代文学の奇観たる」斬新で多様な表現形態が示されていて興味深い。それは、詩的言語からくるリズムや象徴性、暗示性として表現され、また一方で散文のもつ物語性、神話性へと連なる構造によって結晶化された芸術空間だといえる。ここに収録した作品は、それら詩的散文の特徴を有した“現代小品”として創作された珠玉集である。

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Readeeユーザー

(無題)

-- 2020年10月02日

「杯 」読了。 「余興 」などにも通じる疎外と孤独のテーマは鴎外の短編に割合多い。 「予が立場 」なども同じであるがresignation=諦念が自らの心持ちだと書いている。 どこか達観したところもあったということだろうか。 わたしには難しい。 それでつまらない病気が治らないのだ。

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