16・17世紀の数学的音楽理論

音楽の数量化と感性的判断をめぐって

大愛 崇晴

2021年3月12日

晃洋書房

7,700円(税込)

エンタメ・ゲーム

古代以来,西洋音楽理論史の中で数学は中核的な役割を果たしてきた.本書では,自然観に大きな変革が生じた16・17世紀を中心に,音楽と数学の関係の展開を追いつつ,音楽を聴く主体の感性的判断の位置づけを分析.知性・理性の対象だった音楽が,感覚・感性の対象と見なされていく過程を精緻に読み解く. 序論ーー数学的音楽理論とはなにかーー 第1章 ザルリーノにおける数学的音楽理論の伝統と言葉の音楽的表現  1 基礎となる音楽概念ーー数学的音楽観ーー  2 古代の音楽と感情の喚起  3 言葉の表現手段としてのハルモニア  4 ピュタゴラス派の伝統と「言葉の模倣」 第2章 ザルリーノの数学的音楽理論における幾何学の役割  1 『ハルモニアの証明』における幾何学的論証  2 幾何比とメソラビウム  3 音程の量的契機と質的契機  4 ザルリーノにおける幾何学の位置づけの不安定さ 第3章 ヴィンチェンツォ・ガリレイのザルリーノ批判  1 「人為は自然を模倣する」--ザルリーノにおける純正律ーー  2 自然と人為をめぐるガリレイのザルリーノ批判  3 ガリレイにおける自然ーーアリストクセノスの体系の擁護ーー  4 ガリレイのアリストクセノス受容が持つ意義 第4章 ケプラーにおける協和音の問題  1 協和音の原因と幾何学  2 調和/協和音の知覚  3 ケプラーの音楽論の特殊性と保守性 第5章 デカルトの音楽論における協和音の「完全性」と快  1 協和音の規定と弦の役割  2 第2の弦の分割法と4度の存在論的位置づけ  3 感覚経験における4度の位置づけ  4 感性的判断の相対性  5 協和音の快から美的判断へ 第6章 協和音の機械論的規定ーーガリレオにおける物理学的音楽観ーー  1 「実験」による音の観察  2 「協和音の一致論」  3 感覚的質の機械論的解釈 第7章 魂の計算による感覚的認識ーーピエートロ・メンゴリの音程知覚論ーー  1 聴取の生理学的構造  2 音程知覚のメカニズム  3 感覚による計算と音程の誤差  4 魂の能動的注意  5 旋律論  6 近代合理主義と美学=感性学のはざまにおけるメンゴリ音楽論の意義 第8章 「実践」された数学的音楽理論ーートマス・サモンの純正律ヴァイオルーー  1 「音楽的な聴覚」と「粗野な耳」  2 『提案』における純正律ヴァイオルの構想  3 純正律ヴァイオルによる「音楽的実験」  4 理論と実践のはざまにおけるサモンの構想の意義 結論

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