愛着トラウマケアガイド

共感と承認を超えて

岩壁 茂 / 工藤 由佳

2024年3月7日

金剛出版

3,520円(税込)

人文・思想・社会

幼少期に虐待やネグレクトなど不適切な養育環境を過ごして発達課題を達成できなかったがゆえに生じる「愛着トラウマ」は、自分の考えや感情に自信がもてず、他者を信頼できずにコミュニケーションを回避するなど、生活の質(QOL)を低下させる要因にもなりうる。しかし自己と他者への信頼を培いながら愛着トラウマを癒し、相談者自身が望む人生=生活を歩むことは決して不可能ではない。 心のケアに携わる支援者には、相談者が安心して心の内を打ち明けられるアタッチメント対象となり「安全基地(Secure Base)」を提供することが求められる。相談者の心と境界(バウンダリー)を守り、その怒りに深く共感し、相談者を承認していく姿勢、それと共に変わりゆく相談者の主体性・自律性の回復をサポートする「セキュア・ボンディング(Secure Bonding)」アプローチを紹介する。 第?部「愛着トラウマケアを理解する」では、愛着トラウマを癒すためには欠かせない「3つのセオリー」(アタッチメント理論・行動変容ステージ理論・アサーション権)、そして「安全基地」を提供する「セキュア・ボンディング」アプローチを紹介する。続いて第?部「愛着トラウマケアを実践する」では、安全基地の提供、治療的アセスメント、そして面接室の外の世界で人間関係を築いていくための戦略を、詳細な逐語録とともにわかりやすく解説する。最終第?部「愛着トラウマケアを研究する」では、相談者目線も取り入れながら、事例を通して愛着トラウマケアを学んでいく。 愛着トラウマに苦しむ相談者と、その変容と回復に連れ添う支援者のための、事例と逐語でわかりやすく学べる「トラウマケアガイドブック」。 推薦の辞/ピーター・フォナギー 監修者序文/岩壁 茂 本書の読み方・使い方 第1部 愛着トラウマケアを理解する  第1章 愛着トラウマを癒すーー「3つのセオリー」  第2章 安心をもたらす面接技法ーー安全基地を提供する「セキュア・ボンディング」 第2部 愛着トラウマケアを実践する  第3章 相談者に安全基地を提供するーー中立的な鏡から絶対的な味方へ  第4章 治療的アセスメントーー支援者は問いかけ,相談者は気づく  第5章 “冒険”への同伴ーー思いや感情を相談者と一緒に伝える 第3部 愛着トラウマケアを研究する  第6章 事例でまなぶ愛着トラウマケアーー相談者目線でふりかえる セキュア・ボンディングの開発過程 あとがき/工藤由佳

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