鎌倉神戸殺人迷宮

鎌倉・和田塚の甲賀産婦人科医院は、風変わりな診療方針をとっている。診療日は週二日、診療時間も午後九時から深夜三時まで。しかも健康保険がきかないため、患者の多くが鎌倉在住の富豪夫人だ。ある夜、太腿に銃創を負った女性が甲賀医院に助けを求めてきた。だが、彼女は直後に大量出血で死亡してしまう。死の間際に遺した言葉や遺留品によって、被害者は若手女優の芹ヶ谷つゆと判明。下着もつけていない状況から事件に淫靡な匂いを嗅ぎとった院長の甲賀は、鎌倉署に協力して自らも捜査を開始した。だが、犯人は目撃者の女子大生、有力容疑者を次々と殺害。さらに真相に迫ろうとする甲賀とナースの亜久良にまでその魔手を伸ばし始めた…。異色の医師が活躍する傑作推理。