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(無題)
本には独特の力があります。魔力と言い換えても良いでしょう。それはある種の人を夢中にさせます。そんな想いを彷彿とさせるのが本書です。一見写真集を思わせるヴィジュアルな誌面と洗練された文章表現は、この本を開いてインクの匂いを嗅いだ時に、作り手の想いが一度に伝わってきます。武雄市立図書館が2013年(平成25年)4月1日、全面改装し、CCCを指定管理者とした運営が始まりました。年中無休で、DVDやCDもレンタルでき、スターバックスのコーヒーを飲みながら読書ができます。蔵書は館内のいたるところに置かれたiPadから検索可能。運営するのは、「ツタヤ」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブです。 武雄市はなぜツタヤと組んだのでしょうか。そこには街づくりに対するどんな思惑があるのでしょうか。関わる人は何を考えているのかでしょうか。本で地方活性化に挑む武雄市の姿を本書はつづっています。もともとあった公立図書館を改装した新図書館です。オープンから2週間で、5万人の利用者があったといいます。 樋渡啓祐武雄市長は、CCCの増田宗昭CEOが作った代官山 蔦屋書店のコンセプトに惚れ込んで武雄市立図書館の指定管理者にCCCを指名しました。ですからこの本の圧巻は、増田が自らの理念を語る最終章にあります。図書館はこの理念に基づいてオープンしたばかりですから、これからどう展開されて行くのか、壮大な実験が開始されました。時代の風を先取りしたこの図書館が成功するような気がしてなりません。
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