歴史のなかのラディカリズム

新谷 卓 / 中島 浩貴 / 鈴木 健雄

2021年6月9日

彩流社

2,970円(税込)

人文・思想・社会

混迷と閉塞の現代にラディカリズムを再検証する! 現状を打破しようとする認識と行動を「ラディカリズム」と規定する ならば、その担い手たちがいかなる思想を持ち、 その行動領域のなかでどのように何を成し遂げようとしていたのか。 本書は、その姿を大まかに 「抵抗ラディカリズム」と「対抗ラディカリズム」の二つに分類し、 政治学、歴史学、文学の独立した方法論のなかで、それぞれの出来事を 具体的な分析対象として論じ、現実に何が起こったのか、 そして主たるもの、あるいは主になりうるものに対する 反抗の運動形態は如何なるものだったのかを検証する。 現状打破と対抗アクションは19世紀や20世紀に限定されず、 現在でも多くの場で共通性を見出しうる。 その意味で、極めて対象領域の広い「ラディカリズム」を考察した 本書は、現在の混迷する時代への示唆に富む書である!  主な目次 序 論 歴史の場としての「ラディカリズム」   第一部 「対抗ラディカリズム」 第一章 三王国戦争期イングランド王党派ネイション概念と ラディカルな契機──『月面の男』を手掛かりに………小島望 1 問題の所在 2 『月面の男』におけるネイション概念 第二章 ドイツ帝国の「反軍国主義」とプロイセン・ドイツ軍 における「対抗ラディカリズム」……………………中島浩貴 1 多様性のなかの「反軍国主義」──「対抗」文化としての 社会主義、自由主義の軍事論と平和主義 2 「反軍国主義」とプロイセン・ドイツ陸軍──研究史上の 問題と軍の現実認識 3 「反軍国主義」的軍事論と「対抗プロパガンダ」 終わりに──「反軍国主義」に対抗する対抗ラディカリズム の形成 第三章 日本における反動右翼のラディカリズム── 「イデオロギーの内戦」1917 〜 1941 年…………………新谷卓 1 「イデオロギーの内戦」とアンティ・共産主義 2 右翼とは何か 3 第一次世界大戦後の「イデオロギーの内戦」 4 急進化するイデオロギー 5 「イデオロギーの内戦」の終結と「想像の敵」 第二部 「抵抗ラディカリズム」 第四章 政治を超えたラディカリスト 福本和夫……清水多吉 1 後年の「フランクフルト学派」の人たちとの交叉 2 論壇に登場──「山川イズム」を批判 3 「コミンテルン」の非難で「水に落ちた犬」へ、そして逮捕 4 獄中一四年で得たもの 5 柳田国男を超えて──『日本ルネッサンス論』<br…

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