
紀行星の時間を旅して
フィギュール彩
立野正裕
2015年8月17日
彩流社
1,980円(税込)
小説・エッセイ / 旅行・留学・アウトドア
古来より人間の徳には、自然を超えたものが三つあるとされてきた。 信と、愛と、希望と。 これらをおこなうことは、自然の法則を踏み越えることを意味する。 なぜならそれは「……であるがゆえに」という因果の法則にもとづいて おこなわれるのではなく、「……それにもかかわらず」という背理に もとづいておこなわれるからである。 過去のいつの時代にも、人間は絶望すべき理由を十分に持っていた。 人間の歴史は、血と涙の痕跡にほかならない。 「それにもかかわらず……」人間は信じることを止めず、 愛することを止めず、希望することを止めない。 それはどうしてか。 納得がゆくように説明することは、だれにもできない。 それはただ、人間によって実践される。 もしも、来週のうちに世界が滅びてしまうと知ったら、 われわれはどうするだろう。 その問いに、今日、依然として答えられない。 それゆえ、いまなお「旅」を続けている。 本書は文学・歴史・美術をめぐり省察する旅行記である。 (1章)人参の種を蒔く[伊] (2章)すべて険しい道ばかり ひと握りの土[英] (3章)南欧巡礼の道 サンチャゴ・デ・コンポステーラのほうへ[西] (4章)アシジからの手紙 聖フランチェスコの庵[伊] (5章)矛盾のなかを行く 有島武郎「二つの道」[日] (6章)ソールズベリ大聖堂の青い窓 雄鶏とペテロ[英] (7章)祭司エテロの娘 ラスキンとプルースト[英] (8章)光の記憶を探して セガンティーニとアルプス[伊] (9章)静寂 谷間の道を行く[スコットランド] (10 章)アイオナ島からの手紙 聖コロンバの旅[スコットランド] (11 章)記憶の入江にて マクタガートの絵[英] (12 章)スカイ島への旅 ターナーの絵を探して[スコットランド]
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