西アフリカ・エボラ危機 2013–2016

最貧国シエラレオネの経験

岡野 英之

2022年3月1日

ナカニシヤ出版

3,080円(税込)

美容・暮らし・健康・料理

「まさかエボラが本当にあるとは思わなかった」 現地の人びとにとってエボラ危機とは、どのような経験だったのか。 恐るべき感染症に〈人類〉はいかに対処したのか。 国際社会からローカルなレベルまで、さまざまな組織や個人が関わった感染症対策の経験を人類学者が綿密な調査を通して描き出す。 エボラ出血熱はエボラ・ウイルスに起因する感染症であり、その致死率は50?90パーセントにもおよぶ。1976年に存在が確認されて以降、アフリカ大陸を中心にたびたび流行を繰り返してきた。こうした流行のなかでも、本書が取り上げる西アフリカ・エボラ危機は最大のものである(「はじめに」より) 著者紹介 岡野英之(オカノ ヒデユキ) 1980年三重県生まれ。近畿大学・講師。大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。文化人類学。西アフリカや東南アジアで現地調査を行い、武力紛争や平和構築、国家の統治(汚職や人脈)について研究してきた。本書と関連する著作として、「シエラレオネにおける国家を補完する人脈ネットワークーーエボラ危機(2014?2016年) からの考察」(末近浩太・遠藤貢編『紛争が変える国家 グローバル関係学4』岩波書店,2020年)、『アフリカの内戦と武装勢力ーーシエラレオネにみる人脈ネットワークの生成と変容』(昭和堂,2015年)がある。 はじめに 第一章 流行のはじまり 一 西アフリカ・エボラ危機のはじまり 二 エボラ出血熱とは 三 エボラ出血熱はどのように発見されたのか 四 メリアンドゥ村再び 第二章 最貧国と国際社会の感染症対策 一 最貧国の医療事情 二 国際社会と感染症対策 三 エボラ出血熱が発生したときの支援体制 第三章 西アフリカ・エボラ危機の全体像 一 統計から把握する西アフリカ・エボラ危機 二 流行初期の対応 三 パニックのはじまり 四 進むエボラ対策 五 西アフリカ三国から周辺国への伝播 六 終息に向けた取り組み 第四章 シエラレオネの社会事情と医療事情 一 シエラレオネのはじまり 二 シエラレオネの医療事情 三 調査方法 四 シエラレオネを理解するための三つのキーワード 五 シエラレオネでの日常生活 第五章 シエラレオネでの感染拡大 一 感染が拡大する五月下旬までの経緯 二 エボラウイルスの侵入:カイラフン県 三 院内感染 四 感染拡大のパターンを読み解く 五 首都圏で猛威を振るうエボラ出血熱 第六章 コネとカネで確立させたエボラ対策 一 中央の体制の変化:政府レベルの指揮がうまく機能するようになった 二 カイラフン県における人々の動員 三 治療体制の拡大 四 確立するエボラ対策システム 五 啓発活動への動員 六 カネとコネと抑え込んだ感染症 第七章 終 章 一 終息に向けた取り組み 二 残された課題 三 エボラ危機を活かして将来に備える 四 教訓を導き出す 五 コロナ後を生きる私たち

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