
日本的時空観の形成
吉川 真司 / 倉本 一宏
2017年5月26日
思文閣出版
13,750円(税込)
人文・思想・社会
日本における古典的・伝統的な時空観はいつ、どのように形成されたのであろうか。 空間認識・時間認識を形作るさまざまな要素ー周囲を海に囲まれ、四季がはっきりと分かれる日本の地理的・気候的環境、中国から伝来した暦法と時刻制、あるいは政治制度、さらには仏教の影響などーを、文献史学、考古学、歴史地理学、国文学の研究者たちがそれぞれの視点から分析。古代から中世にかけての日本的時空観の形成・定着のプロセスを具体的かつ実証的に明らかにする。 序 論(吉川真司) 1 古代の時間と空間 時空間情報科学からみた日本的時空観(宇野隆夫) 日本古代国家形成と時空観(下垣仁志) 古代日本の空間意識に関する覚書(門井直哉) 日本古代における王都の空間認識(林部 均) 日出処・日本の元日朝賀と銅烏幢(西本昌弘) 古代における国郡領域編成の一考察ーー備前・美作の事例ーー(今津勝紀) 日本古代のオホヤケ構造(大津 透) 古代日本の農事慣行と地方官人(武井紀子) 2 古代から中世へ 陰陽道の成立についての試論ーー呪禁師との関係と「初期陰陽道」概念についてーー(細井浩志) 亀卜の時空(井上 亘) 親王にとっての過去・現在・未来ーー『吏部王記』に見る日記執筆の意図ーー(畑中彩子) 『御堂関白記』古写本・寛仁元年九月三十日条と十月一日条の書写順序をめぐって(倉本一宏) 『今昔物語集』の成立と宋代ーー成尋移入書籍と『大宋僧史略』などをめぐってーー(荒木 浩) 法隆寺所蔵『五天竺図』にみる仏教的世界認識の更新ーー仮想現実としての補陀落山の登場ーー(横内裕人) 日本中世生霊試論(徳永誓子) 3 アジアという視座 『十節記』新考(劉 暁峰) 古代東アジア世界における高句麗勢力圏ーー倭勢力圏理解の端緒としてーー(井上直樹) 梁の武帝と転輪聖王(河上麻由子) 中国南方の新羅人ーー浙江省台州の地名を手がかりにーー(榎本 渉) 契丹国(遼朝)の祭祀・儀礼に関する歴史的変遷と方位観について(武田和哉) あとがきー「時空」論集に向けてー(倉本一宏) 共同研究会開催一覧 執筆者紹介
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