イチョウの自然誌と文化史

長田 敏行

2014年2月10日

裳華房

2,640円(税込)

科学・技術

古来から日本人にとって親しみ深いイチョウは、ギンナン料理はもとより、街路樹として植えられ、シンボルマークや文学作品にも数多く登場してきた。  明治時代、平瀬作五郎と池野成一郎によるイチョウやソテツの精子発見は、日本人が世界に先駆けて行った独創的な研究であるが、本書では、その舞台背景を当時の貴重な資料とともに紹介する。さらにイチョウの属名 Ginkgo については、ケンペルの誤記説が通説となっているが、実は長崎方言の発音を忠実に再現した結果なのではないかという、著者の興味深い仮説も紹介している。  絶滅しかけたイチョウが、人間活動により世界中に「生きている化石」として分布を拡げてきた事実を知ることは、生物種の多様性を保全する見地からも大変重要である。イチョウの植物学的側面や、その文化史に興味のある方にぜひ一読をお勧めしたい。 1.イチョウ精子発見は,なぜ大発見か? 2.イチョウの旅路: 3.生きている化石としてのイチョウ 4.平瀬作五郎と池野成一郎の肖像 5.イチョウの繁栄と衰退のドラマ 6.イチョウは中国から日本へ運ばれてきた 7.そしてイチョウは世界へ広がった 8.医薬品としてのイチョウ 9.ケンペルがイチョウをGinkgoと呼んだ 10.ゲーテとイチョウ 11.小石川植物園植物散策と歴史的背景 12.イチョウが教えてくれるもの 13.終章

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