日本の美術史

保田與重郎文庫

保田与重郎

2000年7月31日

新学社

1,672円(税込)

文庫

昭和三十九年秋『現代畸人伝』をもって文芸ジャーナリズムに再登場した保田は、一年余の準備期間を経て「芸術新潮」に次なる連載の筆を執った。二十三回に亘るその稿に若干の補筆訂正を加えて、昭和四十三年十二月に刊行したのが本書である。もとより通常の日本美術史とは様相を異にして、著者が年少の頃から親しみ、その眼で見、訪ねて感興を禁じ得なかった民族の造型を、創造する人心に思いを馳せ、自らの裡におのずから湧きあがる美感を確信しつつ讃仰した独自の美術史といえよう。たとえば、影響関係や伝播経路に言及すれば事足れりとする研究者的態度や西欧近代の審美観を排して、庭を語り、勾玉の主をしのび、熊野や浄土教美術の貴さを慕う筆致には、美の本態を直感する文人の心映えが横溢し、絶えず生成して止まぬ創造と変革の精神が流れている。

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