憑依の近代とポリティクス

日本学叢書 1

川村 邦光

2007年2月23日

青弓社

3,740円(税込)

人文・思想・社会

「神がかり」「憑く」などの言葉で表される心身状態=憑依は、近代日本で豊かな宗教的・儀礼的意味を剥ぎ取られ、狂気や精神異常として生活世界から駆逐された。憑依が統制・弾圧の対象になっていく歴史的過程をたどり、文化的・社会的な抗争の内実に迫る。 “世界のどこかで私を待っている人”へ──「日本学叢書」刊行にあたって 川村邦光 はじめに 川村邦光 第1章 近代日本における憑依の系譜とポリティクス 川村邦光  1 明治政府の宗教・民間宗教者政策  2 啓蒙家・開化論者の憑依/狐憑き論  3 精神病学者の狐憑き/憑依論  4 狂気と治安、精神病者監護法の成立  5 憑依霊/憑依観の変遷  6 中山みきの憑依とポリティクス  7 飯降伊蔵と憑依の共同体の再編  8 出口なおと憑依の身体  9 憑依を再解釈するスピリチュアリズム  10 ユタ裁判とユタ征伐  11 憑依の行方──王仁三郎の憑依戦略 第2章 歴史の記述と憑依──飯降伊蔵の「おさしづ」と親神共同体をめぐって 永岡 崇  1 歴史家と憑依  2 飯降伊蔵の憑依と歴史の展開 第3章 明治期日本の知識人と神智学 吉永進一  1 神智学  2 神智学と日本仏教  3 姉崎正治と丁酉会  4 ポイント・ロマ  5 神智学徒スティーブンソン  6 成瀬仁蔵 第4章 憑依が精神病にされるとき──人格変換・宗教弾圧・精神鑑定 兵頭晶子  1 精神病としての再定義  2 精神鑑定を準備するもの  3 第一次大本事件と精神鑑定 第5章 巫者の平和学──沖縄の霊的感受性と「死をふまえた平和の知」 佐藤壮広  1 視点と方法  2 沖縄の民間巫者と戦死者  3 民間巫者ユタの儀礼と「平和の礎」  4 巫者と平和祈願  5 考察と結論 第6章 憑依を肯定する社会──沖縄の精神医療史とシャーマニズム 塩月亮子  1 沖縄における憑依の位相  2 精神医学における「カミダーリ」の定義  3 心理療法家を訪れたカミダーリ症状の人々  4 沖縄の精神医療史 第7章 憑依と演劇──メディアの向こうの「なまなましい」身体をめぐって 畑中小百合  1 なまなましい憑依  2 憑依というメタファー、演劇という枠組み  3 真か?偽か?──タレント霊能者の宿命  4 メディアと憑依──飯塚友一郎の「演劇性」  5 テレビの向こうの憑依

本棚に登録&レビュー

みんなの評価(0

--

読みたい

0

未読

0

読書中

0

既読

0

未指定

5

書店員レビュー(0)
書店員レビュー一覧

みんなのレビュー

レビューはありません

Google Play で手に入れよう
Google Play で手に入れよう
キーワードは1文字以上で検索してください