
体罰・暴力・いじめ
スポーツと学校の社会哲学
松田 太希
2019年12月20日
青弓社
2,640円(税込)
人文・思想・社会
なぜ、人はスポーツや学校の場で暴力を振るうのか。常勝の目的のもとに指導者も選手も理想像・規律意識に縛られるスポーツの暴力性や、本質的に規範という暴力性をはらんでいる学校教育の姿を、「暴力的存在としての人間」という哲学的な視座から照らし出す。 はじめに 序 章 暴力の記憶 1 野球の世界で経験した暴力 2 バレーボールへの転向と子どもへの悲惨な暴力 3 暴力の記憶にあらがって 4 糸が切れた 5 それでもなお 第1章 暴力に力強く向き合うために重要な事柄 1 是非論を超えて 2 スポーツと学校の暴力 3 暴力(に関わる人間)をどう描くか 4 暴力の社会哲学の具体的なありよう 第2章 スポーツの本質に関わる暴力性 1 スポーツの本質の一側面としての暴力性 2 指導者はなぜ体罰をおこなうのか 第3章 指導者ー選手関係の暴力性 1 フロイトの集団心理学への着目 2 従来の研究への不満 3 リビドー概念について 4 集団形成における「ほれこみ」と「同一視」 5 「ほれこみ」から「理想化」へ 6 体罰をおこなう心性 第4章 選手間関係の暴力性 1 事後的に騒ぐのをやめろ 2 先行研究の問題 3 選手間関係の基本構造 4 フロイトからジラールへ 5 ジラール暴力論批判 6 欲望の対象の稀少性 7 ジラールを超えて 第5章 科学と暴力からみるスポーツ指導 1 スポーツ科学への盲信の危険性 2 スポーツ指導の暴力性/暴力としてのスポーツ指導 3 スポーツ指導と暴力の交点 4 超越と暴力 5 〈たそがれ〉の暴力 6 再び科学の問題性ーー科学への拘泥が生み出す暴力への可能性 第6章 学校教育の本質に関わる暴力性 1 教育研究における従来の暴力理解 2 教育と暴力の密約的関係 3 生徒=自己規律的な主体 4 「巧みな回収」と生徒の自我の様相 5 「巧みな回収」を目指す教師ーーその失敗と暴力への可能性 6 根源的な暴力性を超えて考えるべきこと 第7章 教師ー生徒関係の暴力性 1 近代教育と暴力 2 子どもの他者性の尊重=教育の不可能性の尊重? 3 教師という存在の本質に関わる暴力性 4 教師という存在の暴力性とその病理 第8章 生徒間関係の暴力性 1 いじめ論のパターン 2 いじめ論の落とし穴 3 いじめに関する哲学的考察 4 諏訪と小浜のいじめ論 5 「最後の気晴らし」としてのいじめ 終 章 これからも考えていくために 1 暴力に力強く向き合うためにーー本書の考察からいえること 2 暴力に力強く向き合い続けていくためにーー今後の課題と展望 初出一覧 あとがき
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