男性性を可視化する

〈男らしさ〉の表象分析

神奈川大学人文学研究叢書 44

神奈川大学人文学研究所 / 熊谷 謙介

2020年2月17日

青弓社

3,300円(税込)

「男らしさ」という価値観に縛られてきた男性を、芸術や文学はどのように描いてきたのか。欧米や中国の映画、文学、芸術、演劇を男性表象の視点から読み解き、社会のマジョリティーだからこそこれまで語られなかった多様な「男らしさ」を析出する表象分析。 序 文 マスキュリニティ、二十世紀、表象 熊谷謙介 第1章 表現主義のマチズモとアウトサイダー性 西岡あかね  1 「男性の運動」としての表現主義  2 アルフレート・ヴォルフェンシュタインの「男」の詩学  3 女性の表現主義と「男性性の危機」の言説 第2章 新しい男の誕生?--ダダにおける「新しい人間」のマスキュリニティ 小松原由理  1 一九一九年ーー女たちの年、あるいは男たちの危機?  2 「ゴム男になりなさい」--跳ねる男、踊る男、殴る男  3 マッチョな紳士、あるいは男性ダダイストの理想の身体  4 男性性の攪乱?--女装、両性具有、キメラ男  5 ハウスマンのモード論ーー「新しい男」のためのファッション  6 再びの軍服化?--「新しい男」のゆくえ 第3章 洪深のアメリカ留学体験ーー自伝における人種差別・恋愛、そして演じること 中村みどり  1 中国の近代化と留学生たち  2 前半生ーーアメリカ留学と演劇、父の死  3 自伝の記述ーー離婚・人種差別・恋愛  4 中国人留学生のアメリカ体験ーー胡適・聞一多との比較  5 アウトローとしてのアメリカ留学体験と創作 第4章 男らしくない西部劇小説『シェーン』--冷戦期アメリカの核/家族 古屋耕平  1 カウボーイと家庭  2 カウボーイと原子爆弾 第5章 「人間らしさ」への道、「男らしさ」への道ーーラルフ・エリソン『見えない人間』 山口ヨシ子  1 実体がない黒い身体  2 「不定形な黒きもの」としての「僕」と「マン」の仮面をかぶった「もの」たち  3 南部出身の黒人男性としての自己確立と「人間らしさ」への道  4 「男らしさ」への道、そして「見えない」女性たち 第6章 母、マジョリティ、減退する性ーーロマン・ガリと男性性 熊谷謙介  1 母と息子ーー『夜明けの約束』  2 強者の男性性、弱者の男性性ーー『ホワイト・ドッグ』  3 性の減退ーー『ここより先チケットは無効』 第7章 飛ばなかった王子ーーマシュー・ボーン版『白鳥の湖』にみる男性性と現代社会 菅沼勝彦  1 マシュー・ボーン版の登場  2 男性性のあり方を問う時代に  3 男性「白鳥」とは誰か  4 「白鳥」の舞いに魅せられて  5 幻想の裏切り  6 「成長」の失敗と母性 第8章 現代美術にみる狩猟と男性性ーーおとぎ話文化研究の視点から 村井まや子  1 「男らしい」狩猟  2 「赤ずきん」の猟師はどこから来て、どこへ行くのか  3 剥製が語るアメリカの自然史ーーエイミー・スタイン「飼いならされた(Domesticated)」シリーズ  4 オオカミとともにーー鴻池朋子「インタートラベラー」カンザス大学自然史博物館展

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