生きながら火に焼かれて
ヴィレッジブックス
スアド / 松本百合子
2006年5月31日
ソニー・ミュージックソリューションズ
792円(税込)
小説・エッセイ / 人文・思想・社会 / 文庫
一九七〇年代後半、中東シスヨルダンの小さな村で、ある少女が生きながら火あぶりにされた……恋をして、性交渉を持ったために。重度の火傷を負いながら奇跡的に生き延びた彼女は、本名を明かすことも素顔をさらすこともないまま、この知られざる事実を証言することを決意した。残された命のすべてを賭けて。-これは、遠い過去の話でも、フィクションでもない。今なお虐待と死の危険にさらされている女性たちの、衝撃のノンフィクション!文庫化にあたり、書き下ろし特別原稿「日本の読者のみなさんへ」収録。
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(無題)
1970年代後半、中シスヨルダンの小さな村で、ある少女が、義理の兄に生きながら火あぶりにされた。恋をして、性交渉を持ったためだ。名誉のために実の娘を殺害するというこのおぞましい行為は「名誉の殺人」。そして手を下した男は「英雄」とみなされる。賞賛されこそすれ、殺人者として非難されることがない。その犠牲者は年間六千人を超えるという。著者のスアドは生き残りの初の告発者として、自分の体験を赤裸々に語った。アラブ世界にあって、女性の教育機会や就労が著しく制限されていたり、服装や外出に厳しい制限があることは一般的広く知られている。しかしながら、本書に書かれている暴力行為が、ムスリムの地域で恒常的に行われているとは、にわかには信じ難かった。そこで調べてみると、神の名の下に許されているのだった。『アッラーはもともと男と(女)の間には優劣をおつけになったのだし、また(生活に必要な)金は男が出すのだから、この点で男の方が女の上に立つべきもの。だから貞淑な女は(男にたいして)ひたすら従順に、またアッラーが大切に守って下さる(夫婦間の)秘めごとを他人に知られぬようそっと守ることが肝要。反抗的になりそうな心配のある女はよく諭し、(それでも駄目なら)寝床に追いやって(懲らしめ)、それも効がない場合は打擲(ちょうちゃく)を加えるもよい。だが、それで言うこときくなら、それ以上のことをしようとしてはならぬ。アッラーはいと高く、いとも偉大におわします。』コーラン第4章34節。重度の火傷をおいながら奇跡的に生き延びた彼女は、本名を明かすことも素顔をさらすことも無いままこの知られざる事実を証言することを決意した。残された命のすべてをかけて。本書はその告発の書である。
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