自閉症が文化をつくる
竹中 均
2023年3月3日
世界思想社
2,530円(税込)
人文・思想・社会
伊藤若冲やアルチンボルド、アンディ・ウォーホルやエリック・サティ、ルイス・キャロルやコナン・ドイルらが生み出した文化には、時と場所を越えて不思議な共通点がある。 ぴったりとはまらない人々がつくる、ぴったりとはまる文化とはどのようなものか。 文化史の地層から「自閉文化」の鉱脈を掘り起こし、リアリズムと合理性に依存する「健常」で「定型」な近代を問い直す。 本書よりーー 自閉症的であることは、何かの単純な欠如(例えば、社会性の欠如)ではなく、「健常」とは別様の一形態と見た方が適切なのではと考えてみたいのです。…そのような見方によって、障害者としての「生きづらさ」が解消するわけではありませんが、生きづらさを一つの文化として昇華させることもありうるように思えます。生きづらさ自体は容易には他者から共感されません。しかし、生きづらさとともに生み出された文化ならば、ある種の共感を呼び覚ましやすいという潜在力を持つのではないでしょうか。 はじめに 第1部 自閉症がつくる文化 第1章 若冲からチューリングへ 第2章 常数としてのマニエリスムと自閉症 第3章 自閉症とは何か 第4章 「自閉文化」の特徴 第2部 世界はそもそもパズルである 第5章 迷宮と蒐集──ルドルフ二世とアルチンボルド 第6章 「不思議の国」は「驚異の部屋」──ルイス・キャロルとアリス 第7章 名探偵・妖精・心霊──コナン・ドイルとホームズ 第8章 点と線──エリック・サティの奇想の音楽 第9章 缶詰が並んでいる──アンディ・ウォーホルの凍りついた宇宙 第10章 パズルと対位法──グレン・グールドの録音スタジオ 第11章 マシンと夢──村上春樹のジグソー・パズル 第12章 コンビニ空間──村田沙耶香と「世界の部品」 第13章 「おひとりさま」の可能性──上野千鶴子の「離脱の戦略」 第14章 ゲームと機械──榎宮祐のライトノベル異世界 第3部 ずれた世界でよりよく生きる 第15章 『アリス』のパラドクス──自己言及を字義通り生きる 第16章 笑いのワンダーランド──二つの世界 第17章 自閉症から認知症へ──プロセスと崩れ おわりに
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