銃・病原菌・鉄 上
ジャレド・ダイアモンド / 倉骨 彰
2000年10月2日
草思社
2,090円(税込)
人文・思想・社会
なぜ人間は五つの大陸で異なる発展をとげたのか?人類史の壮大なミステリーに挑んだ話題の書!ピュリッツァー賞、コスモス国際賞受賞。
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(無題)
この地上から戦争をなくす事は可能なのか?、人が創り出した社会には何故上下関係が発生するのか?。単純ではあるが、ある意味根源的で人間の本質に迫る疑問かもしれない。ところが、こんな素朴な疑問に明確な回答を用意できる人が世の中にはいないのである。何故いないのか。それは正解がないからである。そんな疑問を抱いた人が自分なりの答えを自ら導き出さなくてはならない。人々がそんなテーマに沿って思索を重ねる時にヒントとなる素材が本書にはたくさん詰め込まれている。人類史と言う超マクロな視点から思索を深めていく著者の世界観が随所に散りばめられているからである。 さて、本書における著者の主張の要旨は、ユーラシア大陸の民族が他の大陸の民族に比べて高い文明を持つようになったのは、決して遺伝的な差異ではなく、生息環境によるものである、というものだ。 その文脈から最初の問い「この地上から戦争をなくす事は可能なのか?」にアプローチすれば、解答は容易に導き出すことが可能となる。それは、戦争は人間のDNAに刻み込まれた闘争本能によって起こるのではなく、環境がそのような人間を創り出す、との認識である。農業に向いている野生植物が多く自生していた地域、あるいは家畜化できる野生動物が多くいた地域では、生産性が向上して人口が増える。その社会には食料生産に直接従事しない職人や官僚・為政者、さらには戦闘員や僧侶が生み出され、技術革新や社会構造の重層化が進むことになる。この結果、戦争に勝って支配者になるか隷属する側になるかの差異が生じることになる。つまり、全くの愚かな行為とか言いようのない戦争は、人類が元々持っている本能などではなく、環境によって作り出された後発的性向であるので、それはコントロール可能である、と言いたいのである。本書を読んでいると、そんな事を考えさせられる。
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たきひろ
(無題)
なぜ侵略された側と侵略した側は反対にならなかったのか。地理、風土、集団生活における病原菌の繁殖などから人類の発展の仕方を解説する。
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