
神戸大学院生リンチ殺人事件
警察はなぜ凶行を止めなかったのか
黒木昭雄
2006年9月30日
草思社
1,760円(税込)
人文・思想・社会
2002年3月4日未明、神戸市西区の団地敷地内で、当時27歳の神戸商船大学院生が、まったくの言いがかりから暴力団員たちに暴行を受け拉致される。通報で現場に駆けつけた警察官たちは、なぜか被害者を捜索せず、暴力団員に言われるがままに引き上げていく。その後延々と続いた凄惨な暴行の果てに、被害者は生命を絶たれたのだった。明らかな異状を目の前にしながら、警察はなぜ何もしなかったのか。納得できない被害者の母親は、やがて警察の責任を求めて国家賠償請求訴訟を起こした。そして2006年1月、最高裁によって警察の非が全面的に認められる。警察を相手取る国賠訴訟は決して勝てないと言われてきたが、それを覆す初めての画期的な判断だった。本書は元警察官の視点で事件を克明に検証し、その全容を明らかにするものである。
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