
犬もどき読書日記
石山蓮華
2021年6月3日
晶文社
1,650円(税込)
<b>「私は犬みたいに生きることを発見した」</b> 電線愛好家としても知られる石山蓮華、初のエッセイ集。 10歳から芸能活動を開始し、「若くて女性で明るく元気」とまなざされることが当たり前だったことに対する違和感、女性だからと当然のように求められる容姿と毛のケア、「折り鶴」などのできないこと、そして読書記録。手垢にまみれた「女性」「ちゃんとした人」としてまなざされる経験を通し、ついに「犬みたいに生きること」を発見する。 漠とした感情から徐々に輪郭を掴んでいく様子を時にひりひりと、時にあっけらかんとつづる、読書×ジェンダー×犬エッセイ! <b>「そして、何かできないことがあったとしても、犬だったら相当うまくやれている。犬が油を引いて、卵を割って、目玉焼きを作って食べるとか、犬が一人で掃除機がけをするとか、犬が時間通りにラジオを聴くとか。自分を犬だと思うと、一つ一つが信じられないほどすごい」(本文より)</b> 【目次】 夜は短し働け乙女 幻想のいきもの 赤い傘と電柱 愛を買う 渋谷で赤いゲロを吐く 復讐心を燃やして同窓会へ行った話 生垣に突っ込んで転んだ話 耳から妊娠した話 親知らず りんごの皮むきができない 女ふたりで旅に出た話 私は化粧品を買えない 度数のずれた顔 思い出せない夏 屈辱の土曜日 バターみたいな軟膏 袖から観る舞台 「普通」の容姿 身もだえる自画像 「遊ぶ金欲しさにやりました」 会社を辞め、髪を切って倒れた3月末の話 令和婚した友達 逃げられない算数の話 在宅ギャル 毛の話 女子力のなさを反省しません 名前の話 キスを貸す あさは呼んでも出てこない 犬みたいに生きたい <b>【登場する本(一部)】</b> 『夜は短し歩けよ乙女』森見登美彦(角川文庫) 『浪費図鑑ーー悪友たちのないしょ話ーー』劇団雌猫(小学館) 『同級生』中村明日美子(茜新社) 『ドレス』藤野可織(河出文庫) 『春琴抄』谷崎潤一郎(角川文庫) 『こちらあみ子』今村夏子(ちくま文庫) 『82年生まれ、キム・ジヨン』チョ・ナムジュ著、斎藤真理子訳(筑摩書房) 『可愛い女・犬を連れた奥さん 他一編』チェーホフ著、神西清訳(岩波文庫) 『バレエ・メカニック』津原泰水(ハヤカワ文庫JA) 『野戦病院』谷崎由依(文学ムック「たべるのがおそい vol.6」より)(書肆侃侃房) 『悲しくてかっこいい人』イ・ラン著、呉永雅訳(リトル・モア) 『ものするひと(全3巻)』オカヤイヅミ(KADOKAWA) 『ぼくを探しに』シェル・シルヴァスタイン著、倉橋由美子訳(講談社) 『夫婦ってなんだ?』トミヤマユキコ(筑摩書房) 『お家賃ですけど』能町みね子(文春文庫) 『「僕ら」の「女の子写真」から わたしたちのガーリーフォトへ』長島有里枝(大福書林) 『フラッシューー或る伝記』ヴァージニア・ウルフ著、出淵敬子訳(白水Uブックス) 『犬身(上・下)』松浦理恵子(朝日文庫) など
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