さよならドビュッシー
中山七里
2010年1月31日
宝島社
1,540円(税込)
小説・エッセイ
ピアニストを目指す遥、16歳。両親や祖父、帰国子女の従姉妹などに囲まれた幸福な彼女の人生は、ある日突然終わりを迎える。祖父と従姉妹とともに火事に巻き込まれ、ただ一人生き残ったものの、全身大火傷の大怪我を負ってしまったのだ。それでも彼女は逆境に負けずピアニストになることを固く誓い、コンクール優勝を目指して猛レッスンに励む。ところが周囲で不吉な出来事が次々と起こり、やがて殺人事件まで発生するー。『このミステリーがすごい!』大賞第8回(2010年)大賞受賞作。
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starstarstarstarstar 5.0 2020年10月12日
身体的ハンデを負った立場からピアニストに必要なもの(心)、ひいては人間として必要なものを示している。熱量が半端ない。めっちゃ好き。
ミステリーと思ってみると評価は低くなるかもしれない。ミステリーはおまけとして読んでほしい。これは魂の在り方、生き様を記した本である。
加えてひとつ感心した事、「皮膚移植により母親の皮膚を使った」という描写。これは面白い。あえてバンクのみではなく母親を出すこと。これは「通常の臓器移植だとHLA抗原によって直系家族以外は拒絶反応が起こる」という一般的な常識を利用した伏線。しかし皮膚や角膜はバンクから移植できるようにHLA検査をスキップできるという事実。ここに気づいた人はいるかな?
「クレジットは借金、フリーターは無職。親の金で生活して定職に就こうとせんような奴はごく潰しというんやあっ(p.20)」
「黙っていても知性の窺える面差しなんや。背中に一本びしっと芯が通っとる。何事かに達観したり修羅場を潜り抜けたりすると人間には筋ができる。日頃の行住坐臥の中でその人間を支える支柱になる。(p.24, 25)」
「正論がいつも正しいとは限らない。(p.103)」(色々な作品でいろいろな表現でこの意味の言葉がよく出てくる。この言葉が私には刺さる。)
「自分で尊厳を捨てない限り、人はそうそう堕落しない(p.142)」
「成功する人間はどこかで無茶をするもんだ。平坦な道、穏便な場所に恋々とするヤツは山にも登れないし、ましてや空を飛ぶことなんて絶対にできやしない。(p.187)」
「その職業を選択した時点でその道のプロになろうと努力するのは最低限の義務(p.205)」
「戦う人間はたとえ怪我をしていても闘う。逃げるのは確かに楽だ。でも、それだけだ。楽をして得られるものは体だと死にゆくまでの時間しかない。全ての闘いは詰まるとこ自分との闘いだ。(p.250)」
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みずたま
(無題)
それなりに読めるし、どんでんがえしにも納得できたけれども、なんとなくそれだけ。 他の作品も読んでみようとまでは思わなかった。
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