スーツアクターの矜恃

鈴木 美潮

2023年9月26日

集英社インターナショナル

1,980円(税込)

エンタメ・ゲーム

わずかな視界しか確保できない面をつけ、危険なアクションをこなし、感情まで表現する。 そんな特撮の真の主役、スーツアクターの世界を知れば、作品の見方が一変する。 歴史と秘話、海外との比較、待遇問題など、全方位から考察を展開するスーツアクター論。 総勢50人以上への長期取材と膨大な資料に基づく分析にとどまらず、『月光仮面』の大瀬康一、『ウルトラマン』の古谷敏、『仮面ライダー』の藤岡弘、をはじめ、新旧人気スーツアクターや関係者18人へのインタビューを掲載。「神回」を紹介するコラムも見どころ。 【目次より抜粋】 第一部 スーツアクターが注目される時代 第1章 もはや「中の人」ではない 「ざわつき」の震源はスーツアクター/その役に代理はいない 第2章 ハリウッドでさえ再現不可能 「カッコよさ」に国境はない/日本のヒーローがハリウッドに影響を及ぼす インタビュー 大瀬康一/古谷敏/藤岡弘、 第二部 スーツアクターの確立 第3章 着ぐるみアクションの源流 ゴジラから受け継ぐ着ぐるみの演技/初めての巨大ヒーローを演じる 第4章 ヒーローの様式を築く大野剣友会 危険ゆえ惹きつけるアクション/「できません」が許されない現場 第5章 主役の集団化とJACの台頭 キャラクターを演じるために生まれてきた男/エスカレートを続けるアクション 第6章 完成へ向かう特撮アクション 熱演が波及する/人間離れした身体性はどこから インタビュー 中屋敷哲也/岡田勝/岡元次郎/富永研司/高岩成二/浅井宏輔/縄田雄哉 第三部 スーツアクターを論じる 第7章 余人をもって代え難い特殊技能 表情のない面で感情を表現する/女性より女性らしい「女形」の極意 第8章 アクションを創る人 アクション監督・山岡淳二の功績/カメラマン・いのくままさおの技巧 第9章 演者たちの意識 影の立役者「兵隊」たち/正当に評価されるべき「国宝級」技能 第10章 本当の主役は誰か 然るべき「扱い」を/世界に誇る、もう一つの文化 インタビュー 坂本浩一/金田治/春田純一/喜多川2tom/蜂須賀祐一/福沢博文/和田三四郎/新堀和男 【著者略歴】 鈴木美潮(すずき・みしお) 読売新聞東京本社教育ネットワーク事務局専門委員。1964年生まれ。法政大学を経てボストン大学卒。88年、ノースウエスタン大学大学院にて修士号(政治学)取得。89年、読売新聞社入社。政治部、文化部などを経て現職。 日本テレビ「イブニングプレスdonna」などに出演。特撮関係者を招くイベント「340 Presents」を2003年から主催。著書に『ヒーローたちの戦いは報われたか』(集英社クリエイティブ 2015年、文庫版2019年)など。

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