ことばの番人

高橋 秀実

2024年9月26日

集英社インターナショナル

1,980円(税込)

校正者の精緻な仕事に迫るノンフィクション。 日本最古の歴史書『古事記』で命じられた「校正」という職業。校正者は、日々、新しいことばと出合い、規範となる日本語を守っている「ことばの番人」だ。 ユーモアを忘れない著者が、校正者たちの仕事、経験、思考、エピソードなどを紹介。 「正誤ではなく違和」「著者を威嚇?」「深すぎる言海」「文字の下僕」「原点はファミコン」「すべて誤字?」「漢字の罠」「校正の神様」「誤訳で生まれる不平等」「責任の隠蔽」「AIはバカともいえる」「人体も校正」…… あまたの文献、辞書をひもとき、日本語の校正とは何かを探る。 【本文より】 文章は書くというより読まれるもの。読み手頼みの他力本願なのだ。世の中には優れた書き手などおらず、優れた校正者がいるだけではないかとさえ私は思うのである。 【目次より】 第一章 はじめに校正ありき 第二章 ただしいことば 第三章 線と面積 第四章 字を見つめる 第五章 呪文の洗礼 第六章 忘却の彼方へ 第七章 間違える宿命 第八章 悪魔の戯れ 第九章 日本国誤植憲法 第十章 校正される私たち 【著者略暦】 髙橋秀実 (たかはし ひでみね) 1961年、横浜市生まれ。東京外国語大学モンゴル語学科卒業。テレビ番組制作会社を経てノンフィクション作家に。『ご先祖様はどちら様』で第10回小林秀雄賞、『「弱くても勝てます」開成高校野球部のセオリー』で第23回ミズノ スポーツライター賞優秀賞を受賞。その他の著書に『TOKYO外国人裁判』『ゴングまであと30秒』『にせニッポン人探訪記 帰ってきた南米日系人たち』『素晴らしきラジオ体操』『からくり民主主義』『トラウマの国ニッポン』『はい、泳げません』『趣味は何ですか?』『おすもうさん』『結論はまた来週』『男は邪魔!「性差」をめぐる探究』『損したくないニッポン人』『不明解日本語辞典』『やせれば美人』『人生はマナーでできている』『日本男子♂余れるところ』『定年入門 イキイキしなくちゃダメですか』『悩む人 人生相談のフィロソフィー』『パワースポットはここですね』『一生勝負 マスターズ・オブ・ライフ』『道徳教室 いい人じゃなきゃダメですか』『おやじはニーチェ 認知症の父と過ごした436日』など。

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MiAkir

校正について

starstarstarstar 4.0 2024年12月03日

著者は村上春樹のアンダーグラウンド(未読)に携わった方のようです。母が購入したのですが、先月著者が亡くなったことが購入のきっかけとなったようでした。 期せずして私もゆる言語学ラジオにてこの本について触れており、気になっていたのでちょうど良かったです。 該当するラジオのURLも貼っておきます。 https://open.spotify.com/episode/14URGzWgF8aub7GEW5x9tz?si=kz1t9KYIToCoUEml2KJoXw 普段使っている言葉に信用がおけなくなる、そんな体験を与えてくれる本です。 校正するにあたり必要なこと、どんな心構えで臨んでいるのかを知ることができます。 突き詰めて考えると漢字と平仮名片仮名が混じった日本語の難しさ故の誤字についても書かれています。逆に難しいことはよく分かるけれど、単純なミスをしてしまうベテラン校正者の話などもあり、ミスをすることが人間なのかと思ったりもしました。 考えてみると、学生時代にテストで満点を取ることは意外と難しかった。簡単だと感じてしまうとどこかでミスがあった。見直しをしているのにミスを見逃してしまう、そんなこと誰でも経験したことがあると思います。 新しいことに挑戦している時こそ注意して取り組むためミスは少なく、慣れてきた時に以前はしなかったミスを繰り返してしまうことも何処かで通じているのかもしれません。 各章がコンパクトにまとめられているので合間を縫って読み進めることもできます。 読み終わって、辞書が欲しくなりました。

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