新説 坂本龍馬

町田 明広

2019年10月7日

集英社インターナショナル

990円(税込)

人文・思想・社会 / 新書

あなたの知っている坂本龍馬、フィクションではありませんか? 龍馬の名は、司馬遼太郎の『竜馬がゆく』など伝記小説から広まったため、実像と離れた「伝説」が生まれ、今なおそれが通説となっている。 歴史学者が丹念に史料を読み解くことでわかった龍馬の実像とは⁉ 龍馬は薩摩藩士? 薩長同盟に龍馬は無関係? 亀山社中はあったのか? 大政奉還は龍馬のアイディア? など、新知見が満載。 「英雄フィルター」を外してみれば、龍馬の真価が見えてくる。 ーー(本書「はじめに」より) 私は、明治維新史を専門としているが、その主な対象は幕末政治史であり、さらに絞り込めば、薩摩藩を中心に研究を行っている。その他にも、攘夷といった対外認識論(外国に対する考え方、世界観)にもアプローチしている。そうした中で、とくに前者の研究において、龍馬の存在はきわめて重要である。しかし、史料にあたっていくと通説と違った龍馬の動向が散見され、過大評価された部分も少なくないと感じる。一方で、過小評価されていた部分も発見した。これは、龍馬の価値を高めることとなるだろう。こうした新しい龍馬を提示したい。 ーー(目次より抜粋) 1章 龍馬の生い立ちと江戸修行ー人格形成の秘密 2章 安政期の政情と二度目の出府ー剣術修行と千葉佐那 3章 土佐勤王党と志士龍馬の誕生ー武市半平太と間崎哲馬 4章 久坂玄瑞と島津久光の率兵上京ー第一次脱藩への影響 5章 松平春嶽、勝海舟、大久保忠寛との邂逅ー第一次脱藩前後の龍馬 6章 神戸海軍操練と第二次脱藩ー龍馬の海軍構想とは 7章 薩摩藩士・坂本龍馬の誕生ー薩長融和周旋の開始 8章 「西郷すっぽかし事件」と名義借りー龍馬の実像探索 9章 龍馬の長州藩派遣と薩長融和の促進ー交渉人龍馬の凄み 10章 盟友・近藤長次郎とユニオン号事件ー亀山社中はなかった! 11章 「小松・木戸覚書」の成立と意義ー薩長同盟伝説を撃つ 12章 寺田屋事件の実相とその後の政情ー龍馬暗殺の伏線 13章 龍馬社中と土佐藩復帰ー薩摩藩士・土佐藩士の二面性 14章 海援隊と薩土盟約ー龍馬の功績とその実相 15章 大政奉還と龍馬暗殺ー幕末史上の大事件は何が謎なのか? ■著者略歴 町田明広(まちだ あきひろ)1962年、長野県生まれ。神田外語大学准教授・日本研究所副所長。明治維新史学会理事・事務局長。上智大学文学部・慶應義塾大学文学部卒業、佛教大学大学院文学研究科博士後期課程修了。著作に『島津久光幕末政治の焦点』(講談社選書メチエ)、『攘夷の幕末史』(講談社現代新書)、『グローバル幕末史』(草思社)、『薩長同盟論』(人文書院)などがある。

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