環境保全のための地下水水質化学 下

地球化学、地下水および汚染

2021年4月24日

九州大学出版会

6,600円(税込)

科学・技術

本書は1993年に初版が刊行され、水文地球化学において権威ある解説書としての地位を確立している Geochemistry, Groundwater and Pollution, 2nd edition (2005年) の翻訳書である。 本書は地下水に関する地球化学と、水・鉱物・ガス・汚染物質・微生物間の相互作用について、重要で基礎的な概念と数多くの知見を紹介するものである。地下水を取り巻く環境保全を実現し清澄な水環境を実現するといった観点からは、地下水に溶存する汚染物質が地下環境中を移流・分散する過程で帯水層構成物質と生物・化学反応するといった一連のプロセスを理解しておく必要があり、こうした目的にも最適な内容である。地下水水質化学モデリングのツールとして主にPHREEQCコードを用いており、現場や実験室のデータを用いて計算しシミュレーションするための具体的な手順を解説している。また、世界各地の調査実測例をはじめとする数多くの図や表を使用して、計算や理論的な説明を含む現実的な例題と問題(解答つき)も収録し、読者が地下水の水質化学に関する概念をより深く理解できるように工夫されている。 本書は大きく分けて、?地下水の地球化学、地下水の流れと物質輸送(1章から3章)、化学反応プロセス(4章から10章)、数値計算モデル(11章及び付録A)から構成されているが、訳書の出版にあたっては2分冊とし、上巻を第6章まで、下巻を第7章以降とした。これまでにこうした地下水の物理的挙動から生物・化学反応の理論と実際までの広範な内容を詳細に取り扱った類書はない。その一方で、各章は他の章とは独立しており、必要に応じてどこからでも参照できるハンドブック的な使用ができるものにもなっている。環境、農学、工学を専攻する学生・研究者はもちろん、地下水利用やその汚染対策に係る研究者・実務者にも有用な情報を提供できるだろう。

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