現象とデータから学ぶ 使える!化学熱力学

勝本 之晶

2024年5月10日

九州大学出版会

3,960円(税込)

科学・技術

本書は、長大になりがちな熱力学自体の説明をコンパクトにまとめ、物理法則ではなく、物質と現象を話題の中心とすることで、初学者が「化学熱力学を使う」ことへのハードルを低くし、「使い方を身につけること」に的を絞った、新しいタイプのテキストである。 熱力学の枠組みを現代的な視点で説明する第1章、実際の現象やデータをもとに化学熱力学の使い方を直感的に学ぶ第2章、モデルを使って現象の理解を深める第3章で構成される。初歩的な微積分の知識があれば、大学初年度の学生でも読み進めることができる。第1章冒頭の「かんたんスタートガイド」には第1章全体の要点がまとめてあり、その内容を約束事だと割り切って第2章に進めば、近道で化学熱力学の実践的使用法を学ぶこともできる。この近道は、カリキュラムの関係で、1セメスターもしくは1クォーターくらいしか化学熱力学に充てられない場合にも有用であろう。 かんたんスタートガイドがあることにより、このテキストは次のような段階で読むことができる。  第1段階:第1章のかんたんスタートガイド→第2章の♠がついていない節・項  第2段階:第1章全体→第3章の第3.8節まで  第3段階:第2章の♠がついている項、第3章の第3.9節以降 第2章の♠がついている項と第3章の後半は専門的な内容で、話題ごとにつまみ読みできるようにしてある。第1章の♣がついている項目は、第3段階の前に一度読み返すべき内容で、熱力学を整理してすっきりと頭に収めるためのものだ。♠がついている項目は、他のテキストではあまり説明されない(かなり)専門的な話題で、分野も材料から生物までなるべく幅広くとりあげた。 熱力学第1法則からエントロピーを数学的に導入し、さらに微積分の知識を使ってギブズエネルギーまでを一気に登場させることで、熱力学自体の説明を最小限に圧縮し、残りの紙面の多くを化学熱力学の使い方の説明に割く。古典的な実験から現代的なテーマまで幅広い話題を取り上げることにより、大学初年度から大学院まで利用できるテキストになっている。また物性系から生命系までさまざまな話題を取り入れ、現代化学の多くの分野で必要とされる基礎知識を提供している。

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