モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方（ 3歳 〜 12歳 の子ども対象）

子育てにおける科学的なほめ方・叱り方のポイントを分かりやすく解説してある。 どこかで聞いたことがありそうなことも多いが、エビデンスがしっかりしていてこの本に書いてあることを完璧にできれば、子育ては十分高いレベルでできていると思う。 もちろん、子育てに完璧はないし、著者もそう考えなくていいと述べている。 子育て中の人、これからお子さんが産まれる人に特にオススメの本だ。

褒め方叱り方はとても大事であり、非効率なやり方をしてしまうと、子供の自己肯定感が低くなってしまう。 では、どのように褒めたり叱ったりすればよいか。 まず、褒め方はさすが〇〇ちゃんだねのように人中心で褒め方や単に上手、すごいなどといった褒め方は良くない。よい褒め方は結果や、単に褒めるではなく、結果までのプロセスを褒めること。 著者は成果よりもプロセス、具体的に褒める、質問をするが3つのポイントだという。 次に、叱り方であるが一般的に注意する方法でダメ、違うを単発で言う口頭の罰、直接叩いたり物を取り上げる物理的な罰がある。しかり、これは良くない。良い叱り方はダメ、違うをできるだけ使わない。著者は結果ではなく、努力やプロセスに目を向ける、好ましくない行動の理由を説明する、親の気持ちを伝えるの4つがポイントだという。 これらを行うことでいずれ歳を重ねた際に結果だけでなく、プロセスや努力を考えて行動ができる人間性になってほしいと思う。 妻と共有していこうと思う。


モンテッソーリ、レッジョ・エミリア教育に精通したオックスフォード児童発達学博士島村華子氏による20年の本。 自己肯定感を高め、自主性を伸ばす効果的な声掛けについて解説した本。 普段の何気ないほめ方・叱り方の口ぐせを見直すことで、大人の成功イメージを押し付けたり、愛情をエサにする接し方を改善する気付きを与えてくれる。 子供との接し方のみならず、チームメンバーや妻を相手にしても参考になりそう。特に学んだポイントは以下の通り。 子供に接する前提 子供には一人でできる力があるという見方をして信頼する 子供も大人と同じように権利をもった尊い存在であり、意見に耳を傾け、行動の裏にある理由や気持ちに注意を払う 子供が求めていることは、評価ではなく、達成したり発見したり嬉しかったことを共有すること ダメといった言葉を聞き続けると、脳が脅威に感じて戦闘モードに入り、フラストレーションが爆発しやすい状態になる ほめ方 おざなり・人中心 具体性にかけ、性格、能力、外見などの表面的なほめ方 ほめられることに依存した行動を取るようになり、楽しいと思ったことに意義を感じなくなる 周囲からの評価が下がることを恐れ、失敗を避けるためにチャレンジすることを躊躇するようになる この程度でよいと思い、上を目指すことをしなくなる プロセス中心 努力、挑戦した姿勢、やり方や工夫した点に言及し、励ます すごい、いいねではなく、具体性にプロセスに言及する 親の評価を押し付けるのではなく、子供自身がどう感じたか、うれしいこと、達成したことについて会話し共有する はい・いいえで答えられる選択解答形式の質問ではなく、自由解答の質問をする。最も・１番を使った自由解答式の質問として、１番楽しかったことは？という質問も効果的 叱り方 人中心　 性格、能力、外見の欠点や短所を責める批判。 性格や能力を批判されると、自分はどうせできないと無力感を覚え、挑戦や成功への意欲を失う プロセス中心　 何をしたかったか肯定の言葉から始める。結果に至るまでの努力ややり方を具体的にフィードバックし、どうすればよいかを一緒に考え、次回の成功に導く 自分の行動がどんな影響を与えるか具体的に説明。 親の気持ちを正直に伝えることも効果的 聞く姿勢 正面に座り、手や足を組まず、相手に体を傾け、目を合わせて、落ち着きを保つ 無条件に受け止める 反復、言い換え、明確化、要約により、理解が正しいか確認することが信頼関係につながる ジャッジせず、解決してあげようとせず、話をそらさない ぶつかる7つの習慣 批判する、責める、文句を言う、脅す、罰する褒美でコントロールする、小言を言う つながる7つの習慣 応援する、励ます、傾聴する、信頼する、尊重する、違いを話し合う、受け入れる

指示決めつけしない 感情を引き出す プロセスを褒める

書籍を読みながら実践しようとすると、親も子も一人の人間だとつくづく感じる。 実践はものすごく難しいが、意識を変えることがまず大事。 『おわりに』でも、述べられていることに救われた。完璧はないし、目指してはいけないと思った。

絶対に賢い子になる子育てバイブルを読んでいればこの本を読まなくても良い。エビデンスはあまり描かれていないが、間違ったことは書いていない。ささっとやるべきことを知りたい人は読んでも良い。 ◆モンテッソーリ教育、レッジョ・エミリア教育ともに子供を権利を持った一市民としてみなす。 ◆条件付きの接し方はよくない。 ◆人中心褒めでなく、プロセスを褒める。