いなくなった私へ

目覚めたら誰も私を私と認めてくれない。街頭の電光掲示板は私が自殺したと伝える。私は確かにここにいるのに...。 「この物語をどうやって収集するのか」それのみの興味で読み進めた。前半は主人公でシンガーソングライター（アイドル？）上条梨乃の周囲人間関係を掘り下げるだけで退屈な文書。物語が動き始めるのはp.300前後から。ここからは面白かった。 結局なんてことはない超常現象で片付けられてしまうのが残念。無から成熟したヒトは生じない。悪意から逃れる手段としての輪廻転生というコンセプトなのかもしれないが、日本でやるのは無理があるなーと。小学四年生達観しすぎ。のわりに一人称幼すぎ。細かな点で穴が気になりもやもや。エンターテイメントとして割り切って読むしかない。 外見だけではなく、魂の形で梨乃を求める十文字には男を感じた。と、お母さん流石っす。 辻堂氏の作品は常時悲壮感が漂っている印象。

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