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(無題)
ムック形式の図書に深さを求めるのは、無い物ねだりというものだろうか。むしろ、写真や図版を多用したムックの利点が表に出た第2章の出来を褒めるべきだろう。聖徳太子ゆかりのお寺や神社を訪ねる旅紹介である。 聖徳太子は多くの謎に包まれた存在である。多くの先人が仮説を立ててその謎に挑戦してきた。しかし、未だにその謎が解明されたわけではない。古代史ロマンに心沸き立つ所以である。 聖徳太子といえば冠位十二階や十七条憲法を定めるなどの内政ばかりか遣隋使を派遣した古代の政治家として日本人であれば、知らない人はいない。また、天皇を中心とした中央集権国家体制の確立を図った他、仏教を取り入れ神道とともに厚く信仰し興隆につとめたことでも知られる。 そんな超有名人で超人的活躍をした聖徳太子が、皇太子でありながら、なぜ天皇になれなかったのかが、最大の謎である。その謎解きを今ここで行うのは避けるが、謎に満ちた聖徳太子とはなんなのか。過去の仮説も紹介されているだろうか。聖徳太子はいなかった説など諸説あるが、どうやら藤原氏と天皇家の正史である「日本書紀」が藤原氏にとって都合の良いように書き直されたと考えるのが、1番辻褄が合うようだ。
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