吐き気
フィクションのエル・ドラード
オラシオ・カステジャーノス・モヤ / 浜田和範
2020年6月25日
水声社
2,420円(税込)
小説・エッセイ
祖国エルサルバドルへの圧倒的な罵詈雑言と呪詛ゆえに作者の亡命さえ招いた問題作『吐き気ーーサンサルバドルのトーマス・ベルンハルト』に加え、ひとつの事件をめぐって無数の異説や幻覚をもてあそぶ虚無的な生を描き出す「フランシスコ・オルメド殺害をめぐる変奏」、歴史の淀みにはまり込んだ罪なき市民が暴力の渦に巻き込まれる「過ぎし嵐の苦痛ゆえに」の計3篇の「暴力小説」を収めた、現代ラテンアメリカ文学の鬼才カステジャーノス・モヤの広大な作品世界を凝縮した作品集。
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magurohorror
70頁にわたる罵詈讒謗の見本市
作者のモヤが友人のエルサルバドルへの悪態を聞き続けるという体の小説、と呼ぶにはいささか破壊的な作品。 70頁改行なし。繰り返される罵倒のセンテンス。ベルンハルトの文体に載せて綴られる祖国への呪詛。 当時エルサルバドルは戦争や政治の腐敗などで完全に疲弊。文化も文明も終わりかけていた。教育水準も散々で、モヤの文学など誰も読んでいなかった時代。 彼はエルサルバドルそのものに絶望と怒りを覚えていた。 文学には感情の発露という面もあるけれど、これほどまでに甚だしい悪言、汚言、誹謗、雑言の嵐は他に類を見ない。 文化もへったくれもない国の知識人の絶望はいつだってそれなりの文化水準を保っていた日本人には理解できない。 これを読んだ他の国の作家たちがぜひうちの国バージョンの「吐き気」を書いてくれ!と言ったそう。 下剤ビールって100回くらい言ってた。
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