帝国の祭典
小原真史
2022年10月14日
水声社
3,300円(税込)
1851年にロンドンで始まった万博。そこでは産業製品が示す明るい未来への欲望と異国の品々が掻き立てる遠方への欲望が交叉し、壮大なスペクタクルをつくり出していた。やがて博覧会は、商品と娯楽の殿堂となり、植民地帝国の威容を示す舞台装置となり、異文化との出会いの場となった。 非西洋の集落をまるごと再現した〈ネイティヴ・ヴィレッジ〉、「異質」な身体を見世物にしたフリークショー、日本初の〈人間の展示〉施設となった人類館……。人々は新たに出会った他者をどのように展示し、世界を認識しようとしたのか。著者による膨大な博覧会資料コレクションから、見ること/見せることをめぐる欲望を問う。 はじめに 1章 産業の祭典 2章 動物と人間のあわいに 3章 博覧会と旅行 4章 興行師と見世物 5章 エキゾチックな身体とパフォーマー 6章 博覧会における日本 7章 「文明」と「野蛮」のコントラスト 8章 人類学展示 9章 異文化との接触 10章 博覧会と娯楽施設 11章 複製される博覧会 12章 植民地展示の隆盛と終焉 帝国の祭典─博覧会と〈人間の展示〉(論考) 参考文献
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