邪神(メシア)の覚醒(上)

竹書房文庫

エリック・ジャコメッティ / ジャック・ラヴェンヌ / 大林 薫

2020年4月16日

竹書房

1,100円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

ヒトラーはいかにして史上最恐の力を掌握したのか? 独裁者降誕の秘密が今、解き明かされるーー 一九〇八年、画家の夢が潰えた若きアドルフ・ヒトラーは、憑りつかれたように活字を貪る日々を送っていた。そして、そのさなかに出会った言葉が彼の運命を変える。≪アーリア人の国土回復運動≫--その“発信者”たるイェルク・ランツに誘われたヒトラーは、かつて地上を支配したアーリア人のシンボルたる古代の【鉤十字@ルビ:スワスティカ】と邂逅。その名状しがたい霊力に引き込まれた。 伝説に従えば、スワスティカを象った秘宝が四つあり、すべてを手にした者は世界を制するという。古のスワスティカのうちの一つはナチスが手中に収め、欧州大戦の快進撃を支えてきた。だが、ナチスを出し抜いてイギリスが奪取したもう一つは、アメリカへと移管されていた。そして今、戦局の行方を左右する三つ目の秘宝を巡り、独英の争奪戦は熾烈をきわめていた。 一九四一年十一月、アーネンエルベのエリカは、トリスタンとともにミノス王の伝説が眠るクレタ島で第三の秘宝への道標となる剣を入手。そこに秘められた謎を追求していた。 一方で、イギリスの特殊作戦執行部SOEの司令官マローリーも手をこまねいていたわけではない。謎の訪英をはたしたヒトラーの腹心ルドルフ・ヘスから秘宝の手がかりを聞き出そうと、ある人物を招聘していた。その男の名はアレイスター・クロウリー。だが、自らを魔術師と称するオカルティストの徴用は秘宝争奪戦を思わぬ方向へと導いていく。 第二次世界大戦の舞台裏で繰り広げられた聖遺物争奪戦争ーー。 歴史の闇を暴くメタ戦記ミステリ、シリーズ第二弾。

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