“戦える”自衛隊へ 安全保障関連三文書で変化する自衛隊

稲葉義泰 / JSF / 井上孝司 / 数多久遠 / 芦川淳

2023年10月30日

イカロス出版

1,980円(税込)

人文・思想・社会

日本政府は防衛費を今後5年間で倍増することを発表した。これは自衛隊の創設以来、これまでにない規模の大きな変化である。なぜ、いま防衛費の大増額に踏み切ったのだろうか? そして、何をするつもりなのだろうか?  そのヒントは、2022年12月に発表された日本の安全保障の大方針を定めた3つの文書ーー「国家安全保障戦略」、「国家防衛戦略」、「防衛力整備計画」--いわゆる「安全保障関連三文書」にある。  本書は三文書を読み解き、日本がいまどのような状況に置かれているのか、そして自衛隊が将来の危機にどのように対処していく考えなのか、各部門の専門家たちが、イラストをまじえてわかりやすく解説する。 【CONTENTS】 序章 安全保障関連三文書で日本はどう変わる? 稲葉義泰 1 三文書とは何か? 2 日本の防衛戦略は、こう変わる 第1章 スタンド・オフ防衛能力 射程三〇〇〇キロメートルーーケタ違いの長射程装備を自衛隊はどう用いるのか? 稲葉義泰 1 スタンド・オフ防衛能力とそれを実現する装備  (1)スタンド・オフ防衛能力の概要  (2)スタンド・オフ防衛能力の中心的な装備  (3)スタンド・オフ防衛能力の難しさ 2 反撃能力  (1)そもそも反撃能力とは何か?  (2)「反撃能力」保有ーー政策決定にいたる流れ  (3)反撃能力は憲法九条や専守防衛の背くのか? 第2章 統合防空ミサイル防衛(IAMD) 弾道ミサイル、極超音速兵器、無人機……空の脅威から日本を守る新たな防空態勢 JSF 1 攻防一体の概念 [解説]新たな脅威ーー極超音速兵器 2 弾道ミサイル迎撃  (1)洋上配備BMD  (2)陸上配備BMD 3 極超音速兵器迎撃 4 無人機迎撃 第3章 無人アセット防衛能力 現代戦に不可欠な「無人兵器」が、将来の自衛隊の姿をどう変えるのか?数多久遠 1 無人アセット導入の背景  (1)無人アセットの種類  (2)無人アセット導入による「省人化」 2 陸上自衛隊における無人アセット 3 海上自衛隊における無人アセット 4 航空自衛隊における無人アセット 第4章 領域横断作戦能力 宇宙・サイバー・電磁波ーー「領域」をいかに連携させるのか 井上孝司 1 領域横断作戦で「何をしたい」のか? 2 戦闘空間ごとの解説  (1)宇宙  (2)サイバー空間  (3)電子戦 [解説]単なる戦闘機と思ってはいけないF-35 第5章 指揮統制・情報関連機能 「叩きたい相手」と「叩く手段」をマッチングさせる 井上孝司 1 領域横断作戦に不可欠な機能 2 JADC2 統合全領域指揮統制 第6章 機動展開能力・国民保護 東西一〇〇〇キロメートル、南西諸島への展開を支える輸送力 稲葉義泰 1 輸送能力の強化 2 国民保護 第7章 持続性・強靭化 進化を続ける自衛隊だが、足腰の部分はどうだ? 芦川淳 1 屋台骨が揺らいでいた自衛隊 2 攻撃に耐え、戦い続けられる自衛隊へ 終章 「戦うため」でなく、「戦いを避けるため」の防衛力 稲葉義泰

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