日本の伝統色を愉しむ

季節の彩りを暮らしに

トモコ・エヴァーソン / 長澤陽子

2014年6月30日

東邦出版

1,650円(税込)

ホビー・スポーツ・美術

日本には数百種類もの色が美しい名称とともに伝えられているー。本書では厳選百六十色を詳しく紹介しています。

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Readeeユーザー

(無題)

-- 2018年01月21日

四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねずみ)とは、茶色は48種類、グレーは無数にある事を言います。つまり日本人は同じブラウンでも微妙な違いを見分けて48種類に分類しているんですね。グレーに至ってはもっと多いと言うんですから、その色彩感覚は大したものです。実はこれ、和服の世界でのお話です。そして、これには歴史的ないきさつがあるんですね。時は江戸時代まで遡ります。幕府は庶民の着物について、素材は麻または綿、色は茶色、鼠色、藍色のみと限定していました。いわゆる奢侈禁止令ですね。ところが徐々に生活が豊かになってきた商人や町人が、きれいな色の物を着たいと思うのは当然の成り行きですね。そこで、幕府の禁令に触れない範囲で職人が工夫して反物を染め上げ、多くのお洒落な庶民達の欲求に応えたのが「四十八茶百鼠」という色合いです。日本の粋で洗練された色彩文化がこのようにして誕生しました。素鼠、都鼠、小豆鼠、紅鼠、臙脂鼠、嵯峨鼠、壁鼠、玉子鼠、島松鼠、呉竹鼠、松葉鼠、納戸鼠、源氏鼠、濃鼠。さあ、どうでしょう。色をイメージできますか。 さて、それはそれとして、本書は日本の伝統色の中から160色を選び出して紹介しています。それらの多くは植物や動物、自然現象からとられたものです。色を説明するのに、色見本やカラーチャートを使っていません。そこにあるのは美しい色に彩られた日本の四季を描いたイラストです。季節を実感する中で伝統色の微妙な色合いに想いを馳せてもらう趣向です。ですから、この本はこれまでの僕の読書傾向とは全く趣きを異にするもので、読むと言うより眺めながら想像力を働かせる本と言えましょうか。 例えば、子供まで誰でもが知っている空色。クレヨンや色鉛筆にもありますので、誰しもが淡い青をイメージしますよね。この本ではオオイヌノフグリの花色と紹介しています。そんな風に言われてみると、春先の気候が良くなった時期に歩いている道端にオオイヌノフグリを見つけてハッとしたような気になります。それにしてもこの花、可憐なのにこのネーミングはないと思いますよ。日本植物学の父と言われる牧野博士が、明治にこの花が日本に入ってきた際に命名したそうです。権威ある泰斗のする事に意義を唱える人はいなかったのでしょうね。

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