遠山啓 行動する数楽者の思想と仕事

友兼 清治

2017年3月23日

太郎次郎社エディタス

3,300円(税込)

人文・思想・社会

遠山啓とはなにものか──。 1950年代から60年代、いまも読み継がれる『無限と連続』『数学入門』を著し、数学教育の改革を提唱して「水道方式」「量の体系」を創出。 障害児への教科教育の道を拓き、70年代には「競争原理批判」を展開。ガウス分布にもとづく5段階評価の誤りを指摘し、序列主義と学歴社会を超える論証を発表する。最晩年、教育の市民運動を主宰して、親と教師と若者をつないだ。 数学者・教育者・思想家にして教育運動の実践者。その仕事の全貌を遠山本人の著述とともに描きだす。本書は「遠山啓著作集」の編集者がまとめた初の評伝であり、「遠山啓による遠山啓入門」の書である。 ◎まえがき プロローグ◎水源に向かって歩く──行動する数楽者の生涯 第1章◎学問・文学と出会うまで──一九〇九年〜一九三〇年(十歳〜二十歳代) 1●母ひとり、子ひとりで育つ 2●数学・文学・哲学との出会い 3●六年間のまわり道 第2章◎先駆的な数学研究への情熱──一九四〇年代(三十歳代) 1●敗戦と学問 2●研究への没頭 3●戦後の民主化運動のなかで 第3章◎数学教育の改革運動へ──一九五〇年代(四十歳代) 1●数学教育協議会の設立 2●生活単元学習(新教育)への批判 3●生活単元学習の背景 4●教育による社会の改造と持続 第4章◎「水道方式」と「量の体系」を創る──一九六〇年代(五十歳代)1 1●日本の算数教科書の変遷 2●水道方式の創出 3●量の体系の構築 4●ブームと弾圧 第5章◎数学教育の現代化をめざして──一九六〇年代(五十歳代)2 1●数学教育の近代化から現代化へ 2●一貫カリキュラムに向けて 3●なぜ数学を学び、教えるのか 4●教育政策と学習指導要領 第6章◎人間の文化としての数学──一九六〇年代(五十歳代)3 1●数学という文化 2●数学にはどんな特質があるか 3●数学における方法とはなにか 4●数学はどのように発展してきたか 第7章◎知の分断を超えて──教育と学問・科学・芸術(ミドルサマリー) 1●学問と教育の分断を結ぶ 2●自然科学と人文科学の断層を埋める 3●科学教育と芸術教育をつなぐ… 第8章◎原点としての障害児教育──一九七〇年代(六十歳代)1 1●人間観・教育観をゆるがす体験 2●教育の原点を問う 3●人間は測り知れない存在 第9章◎競争原理・序列主義への挑戦──一九七〇年代(六十歳代)2 1●教育における自由と統制 2●国家主義と序列主義 3●教育思想としての競争原理批判… 第10章◎"術・学・観"の教育論──一九七〇年代(六十歳代)3 1●たのしい算数・数学 2●数学教育の二つの柱 3●教育の未来像」 第11章◎「ひと」運動のしごと──最晩年・一九七二年〜一九七九年 1●『ひと』創刊の舞台裏 2●雑誌から生まれたうねり 3●ひと塾に集う 4●遠山啓と教育の市民運動… エピローグ◎遠山啓という水脈──その闘いが遺したもの ◎あとがき ◎年譜と著作─遠山啓の軌跡 ◎引用文献・出典一覧

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