
フィルマー著作集
近代社会思想コレクション 19
伊藤 宏之 / 渡部 秀和
2016年11月4日
京都大学学術出版会
6,380円(税込)
人文・思想・社会
フィルマーは家族を支配する権限が家父長によって継承され王権につながっているという王権神授説で名高い。ジョン・ロックが批判したこともあって従来は旧弊な思想家と見なされてきたが、その著作は最近になって再評価されつつあり、今日において近代化とは何であったか、何を失ったのかを考え直すための重要な古典となっている。本邦初訳。 凡 例 家父長制君主論(パトリアーカ) 第 一 章 最初の王たちは、家族の父親であったこと 第 二 章 人民が統治者を制御すること、もしくは選任することは、不自然である 第 三 章 実定法は、王の自然的かつ父権的な権力を侵害しない 付 録 シカゴ手稿においては省かれているが、ケンブリッジ手稿においては含まれている三つの節 今上陛下と彼の議会に関する自由土地保有者の大陪審 前口上 冒頭弁論 今上陛下と彼の議会に関する自由土地保有者の大陪審 議会の特権について 制限王政、もしくは、混合王政の無政府状態について 序文 制限王政、もしくは、混合王政の無政府状態について 「全ての王たちに関する絶対的権力」の必然性について、そして、特に、イングランドの王の必然性について ホッブズ氏の『リヴァイアサン』、ミルトン氏の『反サルマシウス』、グロティウスの『戦争の法』における統治の起源に関する考察 序言 ホッブズ氏の『リヴァイアサン』、もしくは、彼の人工的人間である国家共同体についての考察 サルマシウスに反対するミルトン氏についての考察 グロティウスの『戦争と平和の法』についての考察 統治形態に関するアリストテレスの政治学についての所見ーー危険で不確かな時代において統治者に服従するための覚書を併録する 序文 統治形態に関するアリストテレスの政治学についての所見 危険で不確かな時代において統治者に服従するための覚書 有徳な妻を讃えて イングランドの陪審員に対する魔女に関しての警告 「イングランド」と「ヘブライ」の魔女の間の差異について この制定法のいくつかの点が検討される 魔術の定義 魔女の発見と識別について ヘブライ人の魔女について 論争に関する探求、もしくは、利子を取ることは合法であるかどうかについての論考 序文 フェントン博士の利子についての論文の検討ーー利子の定義について 相互利益の協定 聖書からの証拠について 利子という名辞について 利子の法は、裁判法であるのかどうかについて 賃貸しの特質について 教父、公会議、神学者、異教徒、そして法からの人間的な証拠に関して 利子に反対する議論 利子が自然の理に反するということについて 利子の不信心性について 利子の不正について 利子の無慈悲性について 解説 フィルマーが引用している文献の略号と原典 サー・ロバート・フィルマー年譜 索引(人名・神名・地名/事項)
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